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2017-04-07

[]職員室 06:22 職員室 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 職員室 - 西川純のメモ 職員室 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある県の大校長から聞いた話です。その方が教頭研修の講師をしたとき、「自分の学校の学校目標を正確に言える人は?」と言ったのですが手を上げられる教頭は一人でした。その大校長は「だから教頭はダメなんだ」と話していました。でも、私は「この地域の校長はそんなレベルなの?」と思いました。

 学校目標が建前でなく本当であれば、校長は何かを判断する際、学校目標に立ち返って語るでしょう。常に立ち返るのですから、職員にとっては耳にたこです。もちろん教頭は暗唱していることになります。でも、手を上げられる教頭が一人だけだったら、それ以外の学校の校長は学校目標を建前としているのです。

 考えてみてください。小中学校の教室にはクラス目標が張り出されています。さて、クラスの子どもを別室に移動させ、クラス目標を正確に書くことを求めたとき、クラスの「全員」が正解すると言えますか?言えないとしたならば、それはクラスの子どもにとって耳たこになっていないということです。

 さて、今までお仕えした校長を思い出してください。尊敬された人もいれば、馬鹿にされた人もいるでしょう。でも、多くの教師は校長がどんな人かは分かりません。どうするか?職員室の中でキーパーソンと思われる人は何人かいます。その人が校長を認めていれば、周りの人も認めます。職員集団の世論として校長を認めていると認識すれば、反感を持っている教師も静かにしています。逆にキーパーソンが馬鹿にすれば、周りの教師も馬鹿にします。職員集団の世論として校長を馬鹿にしていると思えば、職員会議でねちねちと議論をふっかける人も現れます。だって、多くの教師が机の下で手をたたいていることを分かっているのですから。

 もし、校長がねちねちと議論をふっかけている教師の術中に陥り、感情的になったらキーパーソンは校長をどう思うでしょうか?では、キーパーソンがどんなことで校長を判断していますか?

 ほら、職員室と学級崩壊は全く構造は同じです。

[]美味しい 05:57 美味しい - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 美味しい - 西川純のメモ 美味しい - 西川純のメモ のブックマークコメント

 この1ヶ月ほど、「来年度は学級崩壊クラスの担任を任されることになりました」という相談を十人ぐらい受けています。ま、相談と言うより、自慢なのですが。

 学級崩壊クラスは美味しいのです。「なぜか仕事の出来る教師の7つのルール」に書きましたが、学級崩壊を立て直すツボどころを多くの教師は知らない。だから、立て直すのが大変なのです。ところが『学び合い』はツボどころを知っている。だから、1週間程度で立て直す兆候を見せ、4週間で立て直せます。そして、最高のクラスになります。

 学級崩壊の原因は教師に暴言・暴行をする子どもではありません。だって、学級崩壊とはクラスの大多数を占める普通の子どもが教師に反抗することですから。その子どもたちは教師に暴言・暴行をする子どものまねをしたいとは思っていません。学級崩壊の原因は崩壊しているときでも、それなりに聞いてくれる「いい子」です。

 その子を納得させれば、速やかに中間層の子どもが従います。大多数の子どもが従えば、暴言・暴行を繰り返す子どもも静かになります。では、どうやったら上位層の子どもを納得させればいいか?ぶれのない方針を示すことです。それによって安心して従うことが出来ます。

 学級崩壊を起こすクラスには、必ず大人の腹を読むことを長けた子どもが3人以上います。その子を納得させたならば、最高のクラスが出来ます。多くの人は手品の種を知らない。だから、「あの学級崩壊のクラスを、なんで・・・」とビックリされたり、感謝されたりします。

 なお、実は2時間で立て直すことが出来ます。西川ゼミの現場経験のないゼミ生だって出来ます。我々が飛び込み授業する時、「一番大変なクラスをお願いします」とお願いします。たいていの人はビックリします。でも、一番大変なクラスには、大人の腹を読むことが長けている子どもは3人以上います。『学び合い』はその子を納得させることが出来ます。だから、短時間で立て直すことが出来るのです。たった2時間で授業に集中させ、教師の指示に従い、静かに話を聞く姿を見せるのです。美味しいのです。

 崩壊しているクラスで、「静かにしなさい」、「座りなさい」を連呼し教師に暴言・暴行をする子どもの後を追いかけっこしたら、大人の腹を読む子どもはどう思うでしょうか?『学び合い』ではうるさい状態を無視して、「一人も見捨てない」という超シンプルな原理・原則を示します。シンプルだからぶれない。その姿を見れば大人の腹を読む子は納得します。そして従います。だって、その子は今の状態は自分にとって損であることを知っていますから。方法は簡単です。