■ [大事なこと]体罰
かなり昔に書いたことです(http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20020701/1173055210)。
高校生の時に読んだ、行動学でノーベル賞を受賞したローレンツの本を思い出しました。その本では犬のしつけ方が書いていました。彼の本によれば、犬をしかる最大の方法は、首を優しく持ち(母犬が子犬の首を加えて運ぶように)、二三回揺らす方法です。この方法で、たいていの犬はビビリまくります。しかし、ローレンツは、この方法はあまりにも強力なので多用しないよう注意を与えています。この方法が何故有効なのかといえば、この方法はオオカミのボスが群れのメンバーを叱る方法だそうです。オオカミもそうですが、群れる動物が同じ群れのメンバーに攻撃する場合、その方法は儀式的で、けっして強い痛みを伴いません。それでいてメンバーにとって決定的な影響を与えているのは、そのメンバーにとって何よりも重要なのは、その群れに属することであるからです。ボスから、「おまえは群れのルールに反している」という意思表示をされることは、群れる生物にとっては決定的な意味を持ちます。
そう考えると、殴る、蹴る等の体罰をするということは、とりもなおさず、する側がされる側を同じ群れのメンバーだと考えていない証拠です。運動部での体罰の是非が議論されることがありますが、百歩譲っても、儀式的な体罰で十分なはずです。傷が残るような体罰は決して必要ないことは断言できます。少なくとも同じ群れのメンバーに対しては。
■ [嬉しい]公案
上越教育大学教職大学院では教員から与えられたテーマをグループで深め、それを発表するものがあります。私のテーマは禅の公案のようなものです。その問いをどのような問いと理解するかで、その人たちのレベルが分かります。
私の課題は「教科学習で定常的に実践できる生徒指導。ただし『学び合い』を除く。」です。これを十年以上、毎年、与えています。
今日、発表がありました。ビックリしました。初めて及第点を出せるレベルでした。それ故、私としては非常に珍しく、手放しで絶賛しました。
彼らが一人一人が出した応えを、教師としての全ての時間で一貫できるか、するべきか否か、これを問い続ければ『学び合い』に至ります。ま、私は膨大な学術研究を十数年、その問いに費やして『学び合い』に至ったのですから。次のレベルに達し得なかったのは当然です。だから、満点ではなく、でも、及第点です。
■ [お誘い]福岡の会
7月22日に福岡市で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。http://kokucheese.com/event/index/477235/