■ [大事なこと]西川ゼミ
私は日本中の学校に呼ばれます。嫌らしい私は、その合間に、すっと学校を回ります。職員室の前で出入りする教師に関わりたいと思っている子どもがいるかどうかを見ています。図書館に行って、本を読むではなく、時間を過ごす子どもを見ています。そして、特別支援学級に所属している子どもの割合を聞きます。
日本中の教室、どれほどの子どもが苦しんでいるか、それを知っています。
教材の深い理解、とのたまっている教師の授業で、その子が救えるか、といつも思っています。
もし、その子どもたちの人生の中で週1時間でも自分が仲間として受け入れられる時間を設けたら、どれほどの意味があるかを知っています。そして、それを経験しない子どもが高校でどうなるかを、嫌と言うほど、知っています。
ある学生さんに、西川ゼミはどんなゼミであるかを聞かれました。
私は日本中に敬意をはらわれるゼミ生が多いという点だと思います。
本学教職大学院にはきら星のように素晴らしい教師が多い。
私もその一人だと思っています。
でも、そのゼミの「学生」に対して敬意を払われているのは、西川ゼミだと思っています。(教職大学院の先生方、すみません。酔っています)
何故、敬意を払われているか。それは、最初に書いた子どもたちを救いたいと思い、そのために行動し続けているのは我がゼミの学生だからです。私のところには全国から多くのお客様が来ます。その対応をしているのはゼミ生です。お客様はそれを見ています。
ゼミ生に言います。君たちの行動は、子どもの命を救うかもしれない。自殺したいと思う子どもを引き留めるかもしれない。そして、もし、一人の教師でも、子どもの一生涯を考える教科指導があることを分かってくれたなら、どれほどの子どもが救われるか。
若い学生には、就職して直ぐに役立つとは断言できません。でも、苦しいときに頼る相手の多様さ多数さは、人にどのように尽くしたかで分かります。でも、私はゼミ生が教員採用試験に合格するか、否かでものごとを考えません。もちろん、大事ですからそのための環境整備はちゃんとやります。でもね。大事なのは採用された後です。採用された後、やめない教員になること、成長し続ける教員になることを大事にしています。なによりも、教え子を守る家族の大事さを語り、多様な繋がりを保証したいと思います。
一人一人の学生の幸せをシミュレーションしてしまいます。教師の性です。でも、そんなことを出来ないことを知っています。だから、大局的な成長を出来る集団を願うしかありません。学生さんにとって「今」うざくても。ま、分かる学生はいます。その学生が伝えればいい。
セオリー通りです。
■ [大事なこと]学歴の経済学
昨日は町ぐるみで『学び合い』に取り組んでいる長野県の宮田村に行きました。そして、先生方と今後のことを話し合いました。私としては大満足の進行速度です。さて、そこでの移動は行政職の方が担当していただきました。
二人だけの移動の時、車中で「先生に感謝することがあります」と言われました。聞くと、自分の進路を悩んでいるお子様に「学歴の経済学」を読ませたそうです。お子さんは自分の進路を決めたそうです。今は、自分の進路に満足されているとのこと。
自分の書いた本が、一人の人生選択を決めるときの重要な情報源になったことを誇らしく思います。同時に、モノを書くことの責任を再確認しました。