■ [大事なこと]手を抜ける
ゼミ生から「『学び合い』ではフル回転の状態で大変だ。もし自分だったら嫌になってしまう」という質問が出ました。いい質問です。実践する前の初心者が出せる質問ではありません。なぜなら初心者は『学び合い』では子どもは遊ぶのではないかと思っているからです。でも、実際は真逆です。
綱引きの心理実験があります。ある人に思いっきり綱を引っ張ってもらいます。その力を記録します。このように測定された人たちが一緒になって綱を引っ張ります。その力は先に測定された力の合計になるはずですが、実際はそれよりも下回ります。いわゆる手抜きをしているのです。その手抜きの量は一緒に引っ張る人の人数に比例します。人数が多ければ多いほど、安心して手を抜けるのです。
『学び合い』では、やる、やらないを子どもに任せています。だから、疲れているときは手を抜いていいのです。でも、全員達成をするにはその分誰かがひとがんばりすることになります。それは、その場、その場のメンバーの中で頭を使って考えるのです。
いずれにせよ。成績の良い子は手を抜けません。成績中の下に合わせた一斉指導だったらいくらでも手を抜けて、かつ、それが分かりづらく、授業中に教師が喜ぶ発言をすれば褒められます。
それでは成長しません。