■ [大事なこと]部活問題解決法
部活が忙しくて勤務時間が長くなり、土日がなくなる問題の解消は実は簡単です。「嫌です。脱法です」と教師が言えば良いだけです。それを強いる権限は誰にもありません。でも、みんながやっているので言えない。だから、「嫌です。脱法です」と声を上げ、それを広げればよい。そのために部活の指導を勤務時間内に留めても文句を言われない勤務時間の働きをすれば良い。
ちなみに私はゼミ生に対して、「君たちの結婚式には出ない」と明言しています。でも、それによってゼミ生との関係が崩れるなんて恐れることはありません。やることをやっていますから。http://bit.ly/2niaq2J
国や都道府県の行政がなんとかするなんて期待していたら100年かかります。革命はみんなの願いがベースとして、それが理論化されたときになされます。
■ [大事なこと]進路相談
上越教育大学は全国でも非常に希な教員養成系の地方大学・学部です。どこが特徴かと言えば、地元出身者の割合が他に比べて圧倒的に少ない大学です。他県出身者が新潟県出身者より多く、北は北海道から南は沖縄まで来ます。
その中には、採用人数若干名みたいなところもあります。十年ぐらい非常勤講師を経験し、やっと教員になるという所もあります。学生から相談されると色々なことを話します。
地元に拘るべきではなく、とりあえず合格できるところを受けなさいと勧めます。何故なら「住めば都」であることは、東京出身で三十年以上新潟に住んでいる私の例で語れます。
しかし、長男、長女で親の面倒を見なければならないと言われたら、長男だから家を継ぐわけではないことを話します。また、「実際に親の面倒を見なければならないのは、目の前にいる私の年になってからだ」と話します。
その他、じっくりと話します。こればっかりは「さあ、どうぞ」では出来ませんから。
でも、このことは私がやる前に、高校の先生がすべきことのように思います。
教員希望の子どもに対して、地元の大学を選びます。そして、偏差値と経済力で学校を選びます。実に単純です。そして、知恵の無いアドバイスです。もちろん、そんな人ばかりでないことは知っています。私の大学はそういう先生方によって成り立っています。
■ [大事なこと]行列
昼飯時、行列の出来ているラーメン屋とそうでないラーメン屋があったら、どちらで食べますか?前者ですよね。これは賢い選択です。
ただ、これが正しいのは、地元の人が何度も繰り返し食べる場合に当てはまります。食べた結果が次の選択に直接影響する場合です。しかし、生涯に1度ぐらいしか食べないならば、食べた結果が次の選択に直接影響を与えません。「名物にうまいものなし」と昔から言われますね。一度、行列ができあがると、それが続くことになります。
大学受験の偏差値も似たようなものです。高ければ良いだろうと並びます。ところが、いくつも大学を入学し、その大学で大学生活を繰り返す人は殆どありません。
例えば、歯科医の収入はかつてに比べて激減しています。ところが一頃に比べると入りやすくなりましたが、未だに高い偏差値の大学は少なくありません。
偏差値が高い、といえば医学部です。では、医者はそれほど「割の良い」職業なのでしょうか?私の友人の西道が以下のようなことを書いています。
『一つは、医学部に入る理由が「医師になりたいため」である場合より、「成績が良く、教師に勧められたため」である場合が多いため、医師免許取得後のモーティベーションが男性より低いという現実があります。もう一つは、医師になった後、結婚・妊娠・出産の後に復職する割合が低いと言うことです。復職すると毎週夜勤があったりして、これを免除すると独身医師(とくに女医)が反発します。最後は、東大や医科歯科には女性教授が一人もいません。つまり、女性が上を目指すためのロールモデルが存在しないということです。
女性医師のほとんどが男性医師と結婚するため、家事や育児を平等に分担することが困難であることも一因でしょう。』
残念ながら、偏差値の高い女子生徒の場合、現状では医師はよい選択ではないのかもしれません。高い偏差値ならば選択肢の幅が広げられるのに。
例えば、私の知る限り、男女同権が最も実現している一般的な職業は教師です。これから非正規雇用が一般化し、正規雇用が非正規雇用化するとき、旧モデルの頭の人(つまり大多数の人)にとって最も生きやすいのは公務員だと思っています。
ま、私が正かどうか、は教師の方々が自分の手と足と頭を使って理解して欲しいと願います。教員採用率と偏差値は必ずしも一致していないことは、少し調べれば分かるのに、そうする高校の先生は多くはないですね。
■ [大事なこと]主犯
ネットで学生支援機構の厳しい取り立てが紹介されていました。天下の大悪人のような扱いでした。が、学生支援機構は国民の財産を粛々として回収しているのです。そして、効率の良い方法をやっているに過ぎません。
それは旧モデルの中で「大学進学は有利」というモデルを持っている大人です。そして、そのモデルのもとに奨学金を借りて進学することを薦めた人です。多くの場合、それは高校の教師と保護者です。保護者は責任をとりますが、高校教師は責任をとりません。だから、保護者は手遅れですが学びます。しかし、高校教師は学ばず、今年も奨学金を借りて進学することを薦めます。悪気はないと思いますが、責任のある人が無知であることは罪です。
主犯は誰かをうすうすデモ知ってる人は、未必の故意を持つ共犯です。積極的に知らせて下さい。私はそのために、「学歴の経済学」(学陽書房)、「アクティブ・ラーニング時代のキャリア教育入門」(東洋館)、「サバイバル・アクティブ・ラーニング入門」明治図書を書きました。読んで下さい、同僚や保護者に紹介して下さい。