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2017-10-02

[]少人数指導 21:37 少人数指導 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 少人数指導 - 西川純のメモ 少人数指導 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 簡単で確実に伸びる学力向上テクニック入門(http://www.amazon.co.jp/dp/418166516X)の帯には「少人数指導では学力は上がらない」という言葉を書きました。もしかしたら少なからざる人の気持ちを逆なでするのかもしれません。

 すみません

 でも、事実です。

 まず確認ですが、少人数指導だと学力が上がるという学術的な裏付けはありません。少なくとも、その人件費に見合う効果があることを示した学術論文を読んだことはありません。

 これは努力の物量作戦というナイーブ素人的)な仮説です。つまり、「一生懸命、いっぱいやれば、良くなる」という仮説です。でも、ツボどころを間違えていれば、一生懸命に、いっぱいやっても、良くなりません。

 学力が上がらない理由を申します。

 一般的にやられている少人数指導とは二クラスを3人で担当する程度のものです。つまり、一人あたりの担当を30人から20人にする程度です。

 我々がかつて多くの教師の授業を記録したところ、板書・発問(特定の一人に対する)・子ども問題を解く時間の総計は授業時間の9割ぐらいです。机間巡視をして、個別支援をしている時間は5分程度です。これを子どもの人数で割ってください。30人だったら10秒です。20人だったら15秒になります。ただし、これは机間巡視の移動時間考慮しない場合です。さて、この変化で学力が向上しますか?

 不可能です。

 その程度で全体への対応は出来ません。つまり、出来るのは一クラスあたり数人(仮に3人としましょう)の子どもに対する指導です。つまり二人の教師が2クラスの中で6人ぐらいの子どもに一分数十秒の対応できるのが9人の子どもに一分数十秒の対応が出来るようになるか、6人ぐらいの子に2分程度の対応が出来るか、ということです。

 以上、単純な計算です。

 さて、学力を向上させようとしたら、どれほどの時間がかかるでしょうか?

 教師になる人の多くは小学校中学校同級生に教えたことがあると思います。さて、どれぐらいの時間必要でしょうか?そしてどれぐらいの子どもが質問したいと思っていると思いますか?

 いや、子どもには教えられないとおっしゃる方がある。でも、その方々に問いたいのは、子どもが何を知りたいと思っているのか、何が分からなくてつまずいているのか、これを実証データによって分析たことがありますか?、です。これには膨大なデータ収集必要で、学術的な分析無しでは不可能です。せいぜい、ごく少数のデータの過大な普遍化、つまり根拠、俺」なのです。

 じゃあ、学力向上のツボどころはどこか?

 本書をお読みください。

 

追伸 教師向けの本ですのでいちいち根拠となる学術論文を書きませんが、私の本に書いていることには実証的なデータ裏付けがあります