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2017-12-31

[]兆候 20:03 兆候 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 兆候 - 西川純のメモ 兆候 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 最初の一歩(https://headlines.yahoo.co.jp/hl…)。毎年、毎年、進行する。ようは、このことの意味を高校教師が理解すること。それが無理なら、保護者が理解すること。今後、どんどん広がる。新設大学・学部のニュースを読むたび、????と思う。大学がジョブ型にならないなら、専門学校が「まし」な選択肢。

[]自画自賛 16:30 自画自賛 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 自画自賛 - 西川純のメモ 自画自賛 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 上越教育大学教職大学院、西川ゼミの教育力に自画自賛したい気持ちになりました。というのは、学部時代は情けなくって涙を流してしまった学生達が、教職大学院に進学して教師になっていく姿を感じるからです。

 西川ゼミの特徴は、何よりも完全無欠の『学び合い』で運営されている点です。まあ、勤めやすい学校に勤務していると思ってください。方針はハッキリしているし、自由度はマックスです。世の中には「報告、連絡、相談」を重視する管理職が多いですよね。当然です。ところが、学生が私に「報告、連絡」をしようとすると、断ります。何故なら、私が考えていることは十分にゼミ集団に伝わっていることですから。そして、なんかあったら尻を拭く覚悟はありますから。そして、相談も殆どありません。なぜなら、集団で考えれば答えを出しますから。私が受け入れるのは「自慢」です。これは大歓迎です。まあ、校長が「皆さんのやりたいようにやってください。」と言って、本当に任せて、それで抜群の成果を上げている学校を想像してください。西川ゼミです。この自由度はゼミに入らない限り、理解できないかもしれません。

第二の特徴は人数が多く、多様性が高い点です。人数の多さは上越教育大学のトップで、中規模のコース並みの人数です。『学び合い』をバリバリと学びたい人もいる一方、私のお馬鹿なキャラと自由度に惹かれて入る人もいます。これだけを多いと人間関係の楽しさと同時に煩わしさを経験します。ただし、最終的には断を下す私の管理下でそれを経験するのです。その経験無しで学校現場に行けば潰れてしまう危険性は高い。

 しかしながら、学部は限定的にならざるを得ません。教員養成系大学・学部は免許に関わる講義・実習がビッチリです。そのため、研究室の大学生活に占める割合が低くならざるを得ません。

 学部2年の最後にゼミ入りした当初は、可愛いし、面白いけど、ガキとしか思えない学生を、ゼミ生総出で教育したため、それなりに成長しました。が、社会に万全で出せるというまでには今一歩でした。ところが教職大学院では違います。

 本学教職大学院の特徴、特に西川ゼミの場合は、学校現場にビッチリと入ります。それも、『学び合い』という宗教と揶揄されるようなものを看板に掲げて入るのです。当然、疑いの目で見る常識的な先生方の中に入るのです。その中で、誠意ある行動の中で人として認められ、『学び合い』の成果を上げるのです。これを私の管理下で安全に経験できます。大きな問題が起これば、私がその学校の学校長と掛け合いますし、そうできる人がいる学校に入りますから。

若い学生さんは教員採用試験に合格することが大事だと思います。そりゃそうです。でも、それと同等に大事なのは、合格した後に、採用され続けることです。これを学べる機会を私は提供しています(もちろん、それを最大限利用するか否かは学生さんが判断することです)。その時、一番大事なのは、多様な人と折り合いを付けて、可愛がられることです。教室がいくらハッピーでも、職員室での人間関係が上手くなければ潰れます。逆に、職員室の関係が良ければ、教室がいくら荒れても潰れません。そして、職員室での関係が良ければ、やがてクラスも荒れません。色々と教えてもらえるからです(私の初任がそうでした)。ということで、教員採用試験に合格して名望搭載期間延長で入学する学生は毎年いますし、来年もいます。(ちなみに合格して入学すると学費が半額になります)。それを安全に学ばせたい。

 以上は、西川ゼミのチーム力の賜です。まあ、指導教員バカをお許しください。なんか書きたくなったのです。

[]順番 15:32 順番 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 順番 - 西川純のメモ 順番 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 以下で書くことは、今までに何度も書いたことです。しかし、誤解がある以上、何度でも書かなければならないことなのでしょう。でも、あまりにも馬鹿馬鹿しいので正直ウンザリしています。

 誤解1:『学び合い』は教師と子どもの縦糸が出来てから出来ることである。

 いわゆる縦糸論です。そりゃ、当たり前のことです。ただし、私は一人の子どもも見捨てたくないが、同時に、一人の教師も見捨てたくないのです。知っている教師を思い起こして下さい。そんな縦糸が作れそうもない人はいますよね。そんな人はどうしたらいいのでしょうか?

 誤解2:一斉指導の基本が出来ないと『学び合い』は無理。

 この手の誤解に接するたびに笑いたくなります。そもそも一斉指導がどれほど難しいのか分かっているのでしょうか?東京大学に行きそうな子どもがいる一方、知的な障害が強く疑われる子どもがいるクラスで、全員が勉強になり、楽しめる授業が出来ると思っているのでしょうか?せめて大多数の子どもがそうなることが出来ると思っているのでしょうか?噴飯物です。一斉指導は分からなくても、つまらなくても、黙って聞いてくれる子ども達がいるならば、そのように誤解できるだけのことです。

 元気いっぱいの子どもに「座りなさい、黙りなさい、ノートに写しなさい」と言うのと、「立っても良いよ、相談しても良いよ、でも、一人も見捨ててはいけないよ」と言うのとどちらが簡単でしょうか?

 『学び合い』でクラスづくりをすれば、縦糸が生じます。クラスをリードする子どもが「この教師に従っていくことは得だ」と分かればクラスのみんなをリードしてくれます。

[]簡単か? 15:32 簡単か? - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 簡単か? - 西川純のメモ 簡単か? - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』は簡単とは申しません。でも、一斉指導より遙かに簡単です。何故ならば、一斉指導は「東京大学に行きそうな子どもがいる一方、知的な障害が強く疑われる子どもがいるクラスで、全員が勉強になり、楽しめる授業」は不可能だからです。

 『学び合い』で一番難しい、いや、唯一、難しいのは、本に書いてあるとおりにやることです。『学び合い』をやりはじめは誰しも怖い、だから今までの授業と足して二で割る授業をしてしまう。それは『学び合い』ではないのです。バンジージャンプは特別な技術はいりません。しかし、一歩を踏み出す勇気を持つのは大変です。

 『学び合い』をやり始めると、その成果にビックリします。そして、気が緩みます。そして問題が生じます。しかし、その問題は多くの先人が経験し、解決したものであり、本に書いてあることです。それを読んでいない。

 『学び合い』は今までの授業とは違います。だから、誤解もされます。でも、それも先人が経験し、解決したものであり、本に書いてあることです。それを読んでいない。

 日本一小さな地方大学の一人の教師がやりはじめたことが日本中に広がる理由は一つだけです。本の通りやれば、本の通りの成果を上げている人が日本中にいるからです。それを成り立たせているのは「根拠、俺」ではなく、膨大な学術データ、実践データによって構築された理論と方法論によるものだからです。

 明治以降の一斉指導の歴史の中で、学校段階によらず、教科によらず、その実践者が集まったとき話し合える実践がただの1つでもあったでしょうか?私の知る限り、ありません。さらに言えば、『学び合い』の場合は教師以外も一緒に話し合える。

[]レベル 15:32 レベル - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - レベル - 西川純のメモ レベル - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』への批判のほぼ全ては、授業レベルのことです。具体的には、その日の授業が上手くいくか行かないかです。ごく希にそれを超えるものはありますが、せいぜい3年間が限界です。つまり、子どもの長い人生を踏まえた批判を一度も見たことはありません。可哀想なのは子どもです。自分たちの人生を考えてくれている教師がいない状態で社会に出なければならない。終身雇用の崩れた社会は面倒を見てくれません。

[]全体像 09:40 全体像 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 全体像 - 西川純のメモ 全体像 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』は4、5冊を読めば実践できます。少なくとも今よりかなり「まし」になることは100%保証します。理由は簡単です。教師がやらねばならないことは膨大です。それをたった一人の教師が背負うのと、クラスの子ども達と一緒にやるのと、どちらがマシであるか自明です。ただし、その4、5冊を読んでいないならば保証できません。

 『学び合い』は汎用性に富みます。どれだけも広げられるし、深められます。例えば、私の本の一覧(http://bit.ly/2yepzHe)を確認してください。どこのところが抜けているか分かると思います。

 これからを生き抜くには、全てが必要です。そう思っているから書いたのです。