■ [嬉しい]初めて
今から二十数年前、結婚して正月に帰省しました。無神経な私と違い、人の心を知っている家内は「お母さんにお年玉をあげよう」と言ってくれました。そうしたら普段はクールな母親が涙を流して、「お年玉をもらえるなんて」と言っていました。母親は中学校の時に両親を病気で亡くし、それから苦労していました。人にお年玉をあげることはあっても、中学校のそれからもらうことがなかったのです。
本日、弟子、孫弟子と吞みました。非常に楽しかった。もうすぐ、お開きの時間です。私の中で万札を出して、弟子も万札を出して、孫弟子が微調整、という姿をイメージしていました。そんなとき、弟子がトイレに行くというので、「早く帰らないかな~」と思っていました。帰ってきたら、財布をいじくりながら帰ってきた。あ、やったな、と思いました。
■ [大事なこと]フランスはどう少子化を克服したか
タイトルに惹かれて「フランスはどう少子化を克服したか」(新潮新書)を読みました。1時間程度で読めました(私は速読の方ですが)。非常に分かりやすいし、事例も豊富ですし、良い本です。フランスは理性の国だと思いました。
おそらく、現状の日本が学ぶべき点が多いと思います。そのまま使えばいいのにな、と思うところも多くあります。しかし、読み進めていると違和感を持ちます。理由はいかにも工業化社会の論理で動いているからです。つまり、やっている施策が全て「規格化」「分業化」「同時化」「集中化」「極大化」「中央集権化」なのです。それがために、多様な子ども・保護者のニーズに応えられない。そして、高額の社会保障費が必要となります。
脱工業化社会においては「個性化」、「総合化」、「非同時化」、「分散化」、「適正規模化」、「地方分権化」であるべきと思います。これを成り立たせるためには、地域コミュニティで出産・育児を支える文化が必要です。そして、その基盤は学校教育が担わなければならない。そのためには単線型学校段階を打破し、教育内容の精選が必要です。具体的には、だれもかれもが「数列」、「李白の詩」を学ばなくても良いようにして、その代わり育児と介護を学校教育の柱にするのです。