■ [大事なこと]社会科学
学問には「これが世の中に役に立つのか?」という学問もあります。もっとも端的なのは数学です。しかし、数学が多くの研究者から敬意を受けているのは、それを必要としている研究者が多いからです。そして、最終的には世の中に役立っているからです。
世にある便利な家電製品を作り出している人は、工学を参照しています。その工学を研究している人は物理を参照しています。その物理を研究している人は数学を参照しています。だから、数学は敬意を払われているのです。
研究者も、その家族も、お金が必要です。そのお金を提供しているのは、「これが世の中に役に立つのか?」と思っている人なのです。
社会科学はダイレクトに社会に繋がっています。つまり、社会の人に分かってもらわなければ成り立ちません。教育学の社会科学です。この学問は教師に分かってもらわなければならないと思っています。
社会科学は、その学問領域で正しいだけではダメなのです。ユーザーを動かさなければ。
だから、西川研究室のミッションは「自分の心に響き、多くの人の心に響く教育研究を通して、自らを高め、一人も見捨てない教育・社会を実現する」です。私は、学会で評価され、教師の心に響かない研究はしたくない。