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2018-06-05

[]危機 21:57 危機 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 危機 - 西川純のメモ 危機 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 勝つことは出来ても、勝ち続けることは難しい。

 関西・淡路大震災の時の被災者の人の語った言葉が意味深いです。

 一人一人に100のうち99しかないときは分け合って支え合う。ところが100のうち101があると、その1は誰ものものかで争い合う。と。

 現状が厳しいと分かっていると、全てのメンバーが「私がやります」と声を出します。ところが101あると思うと、「私がやりたくない」、「私がしなくても、あの人がやればいいじゃない」という声が起こる。

 まあ、110ぐらいあるならば、そのような声もあっても不思議はない。でも、本当は90しかないのに、誤解していたら悲惨です。

 あんまり我が儘がまかり通ると、キーパーソンが「やーめた」と思います。そうすれば崩壊です。まあ、我が儘をしている人を無能と判断し、関係を細くするのが健全な方法です。

[]四つの強み 21:38 四つの強み - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 四つの強み - 西川純のメモ 四つの強み - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私の研究者人生の半分は理科教育学が専門です。その後は汎教科学習になりました。その後は教科教育学の範疇を超えています。受験本、アクティブ・ラーニング本、カリキュラム・マネジメント本、特別支援教育、教師の仕事、ブラック勤務・・・と拡大し続けています。でも、私の中では一つです。

 教師になって、子どもの前に立ったとき、強く願ったことです。

 一人も見捨てたくない。

 

 専門外の本を書きまくっているには私の特異性があります。

 第一に、素人であること。だから、素人の気持ちが分かります。これが分からないということが分かるのです。専門家の人はそれが分からない。認知心理学のセオリー通りです。知っていないことが武器です。

 第二に、仲間が多様で多数であること。私の「一人も見捨てたくない」という願いに共感する人が多くはないが、確実にいます。だから、素人の私に斬新な情報を与えてくれレます。編集本を書こうとすると、直ぐに手伝ってくれる人がいます。本を企画すると、それを実現してくれる出版社と編集者がいます。

 第三に、私が傍流であること。それぞれの学問には本流があります。私は本流ではなく傍流です。でも、傍流だからこそ、様々な学問を参照することが出来ます。私は認知心理学や経営学や生物学を参照しています。それらの発想は教育研究では斬新です。おかげで、多くの学会から賞をいただきました。

 第四に、私は中長期で考えています。多くの専門家が、「今」を問題にしています。私は今から三十年、四十年、五十年、その先を妄想しています。それが定まると、「今」がシャープに見えます。その発想の原点は教師としての願いです。

比べるにはおこがましいですが、チャーチルは明日の政争には負けましたが、彼の世界観はきわめて正確です。明日を予想するには、様々な要素が複雑に関わります。しかし、遠い未来は理論的に導くことが出来ます。コップの中の水分子の動きを予想することは現代科学でも不可能ですが、その集団であるコップの中の水の動きは幼稚園児でも予想できます。だから、幼稚園児もコップの水を飲めるのです。

 

 私は凡人です。だから、凡人の戦略で生きています。

追伸 制度設計は天才だと思っています。

[]今日のやりとり 15:48 今日のやりとり - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 今日のやりとり - 西川純のメモ 今日のやりとり - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、ある方よりメールが来ました。同じようなことを考えている方々のために公開します。

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Aさん:

ご無沙汰しております。

また一点、相談させてください。

現状の日本の教育のシステムやカリキュラム。

いろいろな方とお話しするなかで、多くの方が疑問を抱いていることが分かりました。

ということは、頭の良いエリート層はとっくに現状の問題点に気づいている。むしろ前々から予測できていたと思います。

これには何か、国民の考える力が高まらない方が都合の良い層の人がいて、意図的に教育の弱体化を図っているのではないか、という考え方もできるのではないかと感じました。この考えは教員以外の方とお話しするなかで初めて気づいた視点です。

若干偏った考えのようでもありますが、ゼロとも言い切れない考えでもあるなと思いました。

西川先生はどうお考えになるか、気になりメールさせていただきました。

毎度お忙しいところ、申し訳ありません。

私:

いいえ、違います。

例えば、私も問題点は分かっていて、『学び合い』がその解決になることをずっと前から知っています。が、多くの人は知りません。

それは、私が「知らない方がいい」と思っているからですか?

違いますよね。

多くの人は知りたくないのです。

それが理由です。

Aさん:

早々に返信をありがとうございます。

なぜ多くの人は「知りたくない」と感じるのでしょうか。

私:

それは『学び合い』を否定する理由と同じです。

変わりたくないからです。

もっと平たく言うと、面倒だから。

東日本大震災の時、揺れた瞬間に非難すれば多くの人は救われた。

でも、「まあ、大丈夫だろう」と思いたい人が被災した。

その人達が多ければ多いほど「まあ、大丈夫だろう」という人が増えます。

我々は警鐘を鳴らず人にならねばならない。

そうすれば被災する人は少なくなる。

気づく人が増えれば、もっと多くの人が気づきます。

我々には大義があります。

Aさん:

その大義があること、ひしひしと感じています。

平和で安定した社会が続き、物事を別の角度から考えたり危機意識をもったりすることが無くなってしまったからなのか、

メディアなどで目を背けさせ(古代ローマのパンとサーカスのようです)、上手く市民をコントロール下に置いたからなのか、

自然な流れか、意図した流れか分かりませんが、

確かな志をもち、日々できることをし、語り、願うしかありませんね。

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 我々が目指しているのは、面白い授業、分かりやすい授業ではありません。もっと先にあります。