■ [大事なこと]奥義

面白い授業、分かりやすい授業だったら簡単です。このレベルの望みならば、1年間『学び合い』を実践すれば達成できます。
が、そのレベルでは乗り越えられないものがあります。何事も本に書けない、書いたとしても全員が分からない奥義はあります。
それを乗り越えるには、人と関わり続けることです。
■ [大事なこと]得

人は自分の利害で動きます。それが自然です。ただ、自分の利害をどれだけ抽象化し、長期的に見られるかは人それぞれです。
目の前の授業が上手く出来る。それを求めるのが普通です。
でも、そうでない人もいます。その人達は、ずっと何かをしています。
囲碁を局部で考えるか、盤面で考えるか。
盤面で考えられるのは、百人に一人いるかいないかです。
もっとも5年のスパンで考えると十人に一人はいます。
大学教師の多くはそれは出来ず、私が出来る。だから、ずっと負けない戦いをし続けています。
追伸 ちなみに、私の知る限り盤面と戦いを最も長くし続けている人は教師ではありません。ものすごい抽象能力だと思っています。
■ [大事なこと]メディア通達

法を運用している人のモデルが古いと困ります。
大学設置基準には
『第二十五条 授業は、講義、演習、実験、実習若しくは実技のいずれかにより又はこれらの併用により行うものとする。
2 大学は、文部科学大臣が別に定めるところにより、前項の授業を、多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させることができる。
3 大学は、第一項の授業を、外国において履修させることができる。前項の規定により、多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させる場合についても、同様とする。』
とあります。だから、インターネットを使った遠隔教育が可能かと言えば、運用基準が厳しくてほぼ難しいのが現実です。
それを運用しやすくするために文部科学省告示第百四条(いわゆるメディア告示)が平成十九年にありました。つまり、どのような条件があれば遠隔地教育が出来るかの基準を明確にしたのです。その中に
「毎回の授業の実施に当たって設問解答、添削指導、質疑応答等による指導を併せ行うものであって、かつ、当該授業に関する学生の意見の交換の機会が確保されているもの」
を
「毎回の授業の実施に当たって、指導補助者が教室等以外の場所において学生等に対面することにより、又は当該授業を行う教員若しくは指導補助者が当該授業の終了後すみやかにインターネットその他の適切な方法を利用することにより、設問解答、添削指導、質疑応答等による十分な指導を併せ行うものであって、かつ、当該授業に関する学生等の意見の交換の機会が確保されているもの」
に改定しました。つまり、遠隔地にも職員を配置してちゃんと勉強していることを担保しなさい、そうすればいいよ、という基準を設けているのです。
平成十九年ぐらいだと仕方がないと思います。でも、Zoomという高機能のサービスが運用されている現在、かえって足かせになっています。Zoomならば遠隔地に補助者がいなくても学生等の意見の交換の機会が確保できます。そして、補助者の縛りがなくなれば、学生は自宅でも学ぶことが出来るようになります。
この縛りが無くなれば、大学間の授業レベルの協働は一気に進むのにな~っと思います。
さらに、大学ばかりではなく、小中高の遠隔地教育を拡大する必要があります。今後、自治体が中学、小学校を維持できなくなり、協働で維持するようになります。そうなれば校区は広がり、スクールバス対応も限界が来ます。文部科学省の人たちもZoomを一度使えばいいのにな、と思います。