■ [大事なこと]eポートフォリオ

文部科学省主導のeポートフォリオを何故期待できないのか?経済産業省の方が期待できるのか?それを問われました。説明します。
文部科学省主導のeポートフォリオとは「JAPAN e-Portfolio」です。「JAPAN e-Portfolio」文部科学省 大学入学者選抜改革推進委託事業(主体性等分野)で構築・運営する、高校eポートフォリオ、大学出願ポータルサイトです。
何度も書いていますが、工業化社会のコードである「規格化」「分業化」「同時化」「集中化」「極大化」「中央集権化」に基づくものです。笑っちゃうほど「JAPAN e-Portfolio」が工業化社会のコードに従っていることが明らかです。仕方がありません、既存の利益集団を守る持続的イノベーションの出来ることはそのあたりですから。
ではどうすべきか?
2016年3月に文部科学省は「3ポリシーの策定及び運用に関するガイドライン」を発しました。それは「ディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーを踏まえるとともに,「学力の3要素」を念頭に置き,入学前にどのような多様な能力をどのようにして身に付けてきた学生を求めているか,入学後にどのような能力をどのようにして身に付けられる学生を求めているか等を,できる限り具体的に示すこと。
入学者選抜において,アドミッション・ポリシーを具現化するためにどのような評価方法を多角的に活用するのか,それぞれの評価方法をどの程度の比重で扱うのか等を具体的に示すこと。」と求めています。
これをやれば良いだけのことです。
ポートフォリオの形式や書式を云々するのではなく、各大学が求める生徒を明確にすればいいだけのことです。子ども達は、志望校にあったポートフォリオを作成するのです。それを作成するためのエビデンスを蓄積するのが在学中のポートフォリオの意味なのです。どう考えても中央集権的に規格化することではない。
ということは就職ではすでに起こっています。経済産業省はエントリーシートや就職用ポートフォリオの規格化をすることはありません。だって、そんなこと産業界が認めるわけ無い。という自明なことを経済産業省は知っているからです。
ちなみに、文部科学省の目指している日本のトップ校をアイビーリーグ化することならば、何故、その入試を知ろうとしないのでしょうか?
各大学も、各企業も、個性化した要求を出します。生徒・学生はそこにアピールするポートフォリオ・エントリーシートを作成するのです。大学・企業はそれをもとにして「人」を知ろうとするのです。偏差値ではなく。
■ [大事なこと]eポートフォリオ

eポートフォリオも、主語が教師になるだろうな。理由は「子どもに使えない」、「子どものデータは信頼性に欠ける」との理由で、教師に使いやすい仕様になるだろう。本当は子ども達に、eポートフォリオは進学、就職、さらには再就職、転職に関わるという次の社会を語らねばならないのに。どんどん矮小化されてしまう。
■ [大事なこと]発想

Society 5.0の特徴は技術ではなく、その技術をどう使うかという発想にあります。だから新たな技術ではなく、既存の技術も使い方によってSociety 5.0の技術になります。
例えば、授業中にスマホを使い放題にする。
「そんなの無理。だって~」に続く言葉は全て、工業化社会のコードである「規格化」「分業化」「同時化」「集中化」「極大化」「中央集権化」に基づくものです。
逆に言えば、AI、ロボット、ドローンも「規格化」「分業化」「同時化」「集中化」「極大化」「中央集権化」によって使えば、Society 3.0の技術になります。
ポイントは技術を「個性化」「総合化」「非同時化」「分散化」「適正規模化」「地方分権化」で使うか否かです。
追伸 「子どもがAIの分析結果を利用するなんて無理。だって~」に続く言葉もSociety 3.0の発想です。そもそも子どもが使うなんて思いもしないのでしょう。