■ [大事なこと]折り合い2
文部科学省、都道県県教委は今の教育に責任を負っています。だから、これからの教育には踏み出せないのです。出来るのは皆さんの勤務校のおねーさま、おじさまが受け入れられるレベルの改革です。仕方が無い。文部科学省の権力と、おねーさま、おじさまの権力、どちらが強いですか。だから、文部科学省に改革の力は無いのです。
■ [大事なこと]折り合い
この数年のアクティブ・ラーニング、主体的・対話的に関わって、喜び、怒り、苛ついて、学んだことがあります。
体制の人には変える力は無いのだと。それはクリステンセンの言っているとおりです。
でも、その人たちの言葉を使えば、物事は変わることを知りました。
『学び合い』は一気に広がりました。
今後とも、馬鹿らしい現状にお付き合いをして、本質的な改革の布石をおきます。
■ [大事なこと]ネットワーク
昨日、公立で改革は出来ないと断言しました。
しかし、日本の教育は改革できます。それが現状の1条校かどうかは流動的ですが。
その改革の多くを担うのは、現在、公立にお勤めの方です。
公立を辞め私立に異動する方。
公立を辞めフリーランスになる方。
公立を辞めフリースクールを立ち上げる人。
公立を辞め民間からサポートする人。
そして、公立に勤め続ける人。
改革は時間差があります。中生代の恐竜が絶滅するまでどれほどの時間がかかったのでしょうか。一発の隕石で絶滅したわけではありません。
ようは、公立学校のシステムは死に体です。が、改革を理解する個人は生きられます。
常に、アンテナを高くしてください。
■ [お誘い]新任一年目を生き抜く教師のサバイバル術教えます
今日は「新任一年目を生き抜く教師のサバイバル術教えます」(https://amzn.to/2Bzd0Wb)のさわりをご紹介します。
私は理学部出身者です。教育の大学院で学びましたが、専門は概念形成です。その私が暴走族、暴走族OB・OGが一杯いる夜間定時制の物理教師として採用されました。当然のことながら授業にはなりません。しかし、優れた先輩教師に巡り会った、そのおかげで半年ぐらいで授業が成立するようになったのです。
どうやったか?
当然、教材研究ではありません。
そのノウハウを38-54頁というたった17頁にまとめました。17頁にまとめられる程度だから半年で授業が成立するようになったのです。
最後の付録には、先輩から出来る新人か出来ない新人か、かわいい新人かかわいげの無い新人かのどちらに見られるかは、どこがポイントであるかを書いています。
今の時期に、これを書こうと思ったのは、学生時代を過ごした恋人と別れるか、分かれないかが佳境の時期です。そして、分かれないとしたら、在学中に何をするべきかが重要になります。結論から言えば、今つきあっている人が、あなたが出会える最善の異性であることを「数学的」に証明できます。(ビックリするでしょ)
さて、この本は新人用の本ですが、中堅の人も読み直すことを薦めます。
あなたが職場で生きづらかったら、どこに原因があるかが分かります。先に紹介した付録は、同僚から出来る同僚か出来ない同僚か、かわいい同僚かかわいげの無い同僚かのどちらに見られるかは、どこがポイントと読み替えることが出来ます。
もし、あなたが男性で結婚前か、子どもが生まれる前の人だったら、まだ間に合います。熟年離婚するかしないかはどこかが分かります。そして、既に子育て期間が終わった方だったら、自分がどんな地雷を踏んでしまったかを自覚し、今後の伴侶への配慮を見直して下さい。
私はありとあらゆるジャンルの本を書いています。そのため、私の専門が何かは分かりづらいかもしれません。しかし、私の中では一貫しているのです。それは誰一人も不幸になって欲しくないのです。
■ [大事なこと]ある食堂
ある工場に社内食堂があります。近隣には食べ物屋はなく、社員の殆どはこの食堂で食べます。その食堂に新しい栄養士が勤め始めました。社員に美味しい食事を提供したいということで、食事のおいしさを「カロリー」、「塩分量」、「タンパク質の量」、「資質の量」、「炭水化物の量」、「その他」で分析したのです。それに基づき料理を一種類決めてそれだけを毎日毎日出したのです。
この栄養士が間違っているのは、そもそも「カロリー」、「塩分量」、「タンパク質の量」、「資質の量」、「炭水化物の量」、「その他」でおいしさが決まるという根拠もないのに信じ切っている点です。
第二に、社員の好みは多種多様なのに、自分が決めた1種類の料理に限定した点です。
とても馬鹿らしいでしょ。あるわけないですよね。
でも、調査書の書式変更に端を発しているeポートフォリオはこれと同じようなことだと私は思っています。
「学力の3要素」(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」)を多面的・総合的に評価しようとしていますが、ナンセンスです。まず、学力が3要素で構成されていることを明らかにする学術的な根拠を知りません。100歩譲っても、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」は何かの定義が曖昧としているのです。言葉として気楽に使うのは出来ますが、それを評価に使えるように明確化することは不可能です。
第二に、求める学力は一つ一つの大学で異なるはずです。それをどうやって統一したフォーマットにすることが出来るのでしょうか?そんだったら、文部科学省が大学のアドミッションポリシーを一つ決めなければなりません。
各大学が、各大学のアドミッションポリシーに基づき学力の3要素を操作的に定義し、それに基づきポートフォリオの入力システム・評価システムを構築するならば、まだありえます。しかし、そんなマンパワーがある大学がどこにあるのでしょうか?
実証的な研究を経験していない人達が「そうだよね、そうだよね」と言っているうちにやることになったが、ここに来てどうやっていいか分からなくなってしまった。しかし、引っ込みがつかなくなったので、ベネッセのクラッシー、リクルートのスタディサプリに肩代わりさせようとしている。
何が間違っているか?
何かを測定することがいかに大変であることを知らない。結局、教育の測定は価値に基づいて構築されなければならない。どんなに実証研究をしたとしても、精密さは高めることは出来るが、正確さ、つまり妥当性を高めることは出来ないことを理解していない。
第二に、自分たちが大学や企業が求める人材の能力を決められると思っている。それは大学や企業が決めることなのに。
この改革には全く期待が出来ません。
まあ、いつものことですが、文部科学省の言葉を使って、活かす方法はあると思います。
追伸 やるんだったら、一番いい方法は、子どもが大学の示す書式に合わせて自己アピールを書くことです。もちろん、大学によってはそれは無用の場合もあります。教師が関与しなければいい。ただし、大学が確認できるエビデンスに基づくことであることを求めるのです。つまり、アイビーリーグの入試で昔からやっていることです。
■ [大事なこと]改革の方法
公立学校での改革は出来ないと断言しました。
その一方で、改革の多くを担うのは、現在、公立学校に勤めている人だと申しました。理由は、人数が多いからです。でも、矛盾しているように読めるかも知れません。
もし、現在、公立学校に勤めている人が、自分のクラス、自分の学校を変えようとしても改革は前者であれば広がらないし、後者であれば成功したとしても人事交流の中で消えて無くなるからです。
では、どうしたらいいか?
第一は、視野を広く持つことです。どれぐらいか?
具体的には最低限、自分の人事交流の範囲を考えて下さい。小中学校だったら事務所単位、高校だったら都道府県単位を視野において下さい。その範囲内に一定数の改革者がいたならば、あなたはどんなところに務めても改革を推進することが出来ます。
第二は、改革者となり得る人をターゲットとすることです。多くはありません。そして誰がそのような人であるかは分かりません。だから、SNSなどを通して発信し続けることです。
第三に、一人でやろうとせず、同じ思いを持っている人とやるのです。
一つの学校を変えるより、自分の人事交流の範囲内の5%の改革者となり得る人とネットワークを組む方が容易いと思っています。
以上、『学び合い』やっていることで、より多くの方々にやって欲しいことです。