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2019-01-22

[]暴言対処法 19:37 暴言対処法 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 暴言対処法 - 西川純のメモ 暴言対処法 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 暴走族の生徒から「おめーなんて、嫌いなんだよ」と怒鳴られたときのことです。私は「満面の笑み」で「そうか。でも、俺はおまえが好きだよ」と言いました。そうしたら、その子は「え!?」とビックリした表情、その後、少し口角が上がりました。

 高校に勤めて多くの先輩教師からかわいがられました。いっぱい飲みました。そして、色々な事例を教えてもらいました。この切り返しは、その中の1つです。最初はテクニックでしたが、しばらくすると本心から言えるようになりました。

 暴言の対処法は、暴言を言う子どもを好きになればいい。最初は演技でもいい。

 ただし、これは一斉指導でのテクニックです。『学び合い』だったら距離を置けばいい。教師の代わりに繋がって、ただす子が生まれますから。

 教師が子どもを本気になって怒ったとしたら、それは教師という立場から、子どもの同じ平面に立ってしまったのでしょうね。

 ま、偉そうなことは言えません。私だって怒ったことがあります。過去のメモです。これ以降、学生さんに対して怒っていないので、これが私の怒りの履歴書です(http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20030617/1172988763)。なお、これ以外に一人の学生に対して怒ったことがあります。正式の判定は受けていませんが、サイコパスの特徴が多くある学生でした。従って、33年間の教師人生で生徒・学生に声を荒げたのは3回で、2003年以来はありません。もちろん、手は出しません。出そうと頭にのぼりません。そもそも怒りの解消法として暴力は私の選択肢の中にありません。

[]暴力 05:49 暴力 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 暴力 - 西川純のメモ 暴力 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 町田総合高校で教諭が生徒に暴行した映像がネットに上がっています。それに関してある方に意見を求められました。

 まず最初に、このことを生徒対教師という文脈から離れて、未成年対成人に置き換えてみましょう。画像を歌舞伎町の路上で二人は無関係だと考えましょう。弁護士の方に伺った結果、「一概には言えません。前科無しで、殴った方に酌むべき事情が有り、傷害の程度も全治2週間から1ヶ月迄程度であれば、略式命令による罰金刑10万〜30万円程度ではないでしょうか。」とのことです。そして、暴言を吐いた未成年はおとがめ無しです。ま、当然ですね。

 それに生徒対教師という文脈が加わるのです。教師だから殴っていいという理屈はありません。むしろ、教師だから駄目という理屈はいくらでもあります。

 私の勤めた高校では、あの程度の暴言は日常茶飯事です。私も子どもたちを掌握できる前は、あの手の暴言にさらされました。しかし、一度たりとも殴りたいと思ったことはありません。理由は簡単です。暴言を吐いた生徒の方が喧嘩が強そうだからです。今回の件、見る限り、教師は「勝てる」と思ったのかもしれません。「だとしたら」、卑劣と思います。

 いずれにせよ。今回の件、教師のやったことと、生徒のやったことを比較することがナンセンスのように私は感じます。

 残念ながら「時には体罰も必要」と思っている人がいます。しかし、私の経験上、人間関係が出来ていれば体罰は不要で、人間関係が出来ていなければ体罰は無効です。必要であっても象徴的なもので十分です。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20020701/1173055210

追伸 この問題の原因を探るとしたら、その教師ではなく職員室でしょうね。職員室の教育力、学年団の教育力でしょう。私は勤務校で多くの先輩から守られていました。