■ [大事なこと]シミュレーション
働き方改革に関して、これからの案をシミュレーションしました。
まずは下策。
文部科学省の今の改革です。つまり、現状のままの法の規定で、つまり残業代なしで民間と同じだけ働かせる。それで帳尻が合わないところは年単位の変形労働時間制で帳尻合わせをするというものです。この案のメリットは、文部科学省は何もしなくても良くて、責任は都道府県教育委員会及び学校長に押しつけられるということです。デメリットは、結局何も変わりませんから、過労死が起こります。教員採用希望者が減ります。そして、何よりも困るのは年度途中の退職者が激増し、補充が出来ない状態になります。小学校では担任不在のクラスが増加し、中高では教科担任の補充がつかなくなります。
合田さんは文部科学省が矢面に立つことを明言された。それを強く期待します。それがあったら下策とはもうしましせん。でももし、それがなかったら、本当に無責任な案だと思います。
中策。
「教師がブラック残業から賢く身を守る方法」(https://amzn.to/2Ie9hEe)に書いたとおりに、5年間かけて保護者の理解を得ながら段階的に部を減じます。おおよそ3人の人で部を担当します。そして最終的には社会体育に移行します。成績以外の情報は民間のクラウドサービスで一元管理。書類は精選した上、規格化し、事務職が作成します。先の本に紹介した大分大学附属小学校レベルの改革は実現可能です。デメリットは、保護者、議会に対して説明責任が生じることです。メリットは本質的な働き方改革につながります。
ただし、これが中策でありえるのは、今の子どもの数がそのままで、子どものニーズが規格化しているという前提です。子どもの数が少なくなり、予算が絞られるならば、学校の統合は避けられません。どの都道府県であっても通学不能の子どもを抱える学校が生まれます。岩手、和歌山、高知の場合は、それが過半数になるでしょう。さらに、学校に飽き足らず、積極的に不登校を選択肢とする子どもと保護者が増加します。
N校以外に多種多様なネット学校が生まれ、どんどん公立学校を締め上げることで実現できるかもしれません。
上策。
学習指導要領の内容、時間数の縛りの例外事項を拡大します。そして、メディア告知を改め、ZOOMを活用する授業を薦めます。ネット上の多様なメディアを活用することを認め、薦めます。学習はリアル・バーチャルな環境の中で異学年・異教科の主体的・対話的に進めます(『学び合い』の実践者だったら分かりますよね)。結果として、一人の教師は百人以上の子どもを担当できます。結果として教員数を削減できます。その分、教員の給与を上げます。社会体育担当、地域コミュニティ活性化担当の教員をもうけることが出来ます。
デメリットは工業化社会人はこれを理解できない。そして、その人たちが権力を握っている。メリットは、働き方改革を達成しつつ、今の予算よりも少ない予算額で教育の質を高め、多くの教員志望者を獲得できる。なによりも個別最適化した人材を養成することによって少子高齢化社会の中でも日本が生き残り繁栄することが出来る。
だから、1条校以外でこれを実現し、1条校を外から締め上げるしか道は無いと思っています。