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2019-06-23

[]評価 22:19 評価 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 評価 - 西川純のメモ 評価 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私の頭の中は個別最適化を当然としています。だから、評価はしません。

 西川ゼミの目標は「自分の心に響き、多くの人の心に響く教育研究を通して、自らを高め、一人も見捨てない教育・社会を実現する」であると語ります。しかし、それをどう捉えるかはゼミ生の自由です。従って、ゼミ生の目標の設定は自分自身でやります。そして、その評価は自分でやります。

 一見、ビックリするかもしれません。だって、課題を教師がつくらず、評価もしないのですから。でも、受験を考えてください。志望校を決めるのは当人であるべきだと思いませんか?そして、志望校に入れるかどうかを、模試の結果から読み取り、自分が選んで使っている問題集の進みぐあいで判断するのは当人であるべきだと思いませんか?

 自明だと思います。

 工業化社会のコードに支配されている学校教育での『学び合い』の入門でやるべきだと私が書いていることを、西川ゼミでは全くしていません。そして、現状があまりにも自然で当然だから、私に言われるまでゼミ生はそれを気づきません。

 もちろん、私は何もしているわけではありません。しかし、入門書で書いているような可視化は使いません。主に、実証的データに基づく未来社会のヴィジョンを語ります。そして、それが彼らが直近で抱えている問題を解決することを示します。

[]脱工業化社会の教育 21:44 脱工業化社会の教育 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 脱工業化社会の教育 - 西川純のメモ 脱工業化社会の教育 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 これからの教育を書いている本は増えています。読んでいて楽しいし、得るものは多い。しかし、私には不満があるのです。

 第一に、工業化社会のコードに則っている。

 なんども書きましたが、「個性化」「総合化」「非同時化」「分散化」「適正規模化」「地方分権化」が脱工業化社会のコードであり、工業化社会のコードは「規格化」「分業化」「同時化」「集中化」「極大化」「中央集権化」なのです。

 第二に、一部エリートのみに成り立つ教育である点です。

 両方とも「それって、全ての子どもに成り立つの?」と問えば無理があることが自明です。

 第三に、実証的データに基礎づけられていない。「そうあるべきだ」と思う気持ちは共感できます。しかし、実際は違うことはあります。例えば、少人数にすれば教育はよくなるという考えもその一つです。それが誤りであることは、僻地、小規模校が示しています。それにクラスサイズを5人ぐらいに減らせば、変化はあるかもしれませんが、35人を30人にして、25人にしても変わりません。

 私の頭の中にある個別最適化された教育を分かるのは難しいのでしょう。ある方とのメールのやりとりで再認識しました。しかし、その姿はごく自然です。なんとなれば、上越教育大学の教職大学院の教科教育・学級経営実践コースの西川ゼミでそれをやっていますから。ゼミ生は、自分たちが浸っている環境が自然すぎるため、それが他と違うことを忘れてしまいます。