■ [大事なこと]友達
私は壊滅的に人間関係を形成できませんでした。たから小中高と友達は多くなかった。
皆さんに聞きます。小中高の同級生で頻繁に話した子は何人ですか?
おそらく、数人ではないですか?
じゃあ、ネット学校で、意図的な子どもたちの関係性を生み出す仕組みがある学校に勝っていますか?
無理ですよね。
ようは、リアルの学校の強みを理解していない。
■ [大事なこと]萌芽
未来の教育は、すでに萌芽があります。いや、花は咲いています。そこにはビックリするようなものはありません。
現在、高校生は300万人強います。ムーアの理論だと50万人を超えたらパンデミックが起こります。N高校が1万人を超えました。
高校生は新しいテクニックに親和性が高い。だから、トルネード戦略は必要ない。ようは、保護者の心配を超えるだけ。これって、ムーアが対象としたものと違う。面白い。
事実が現実を表す。ユーザーが市場を決めるのです。逆は、持続的イノベーションの範囲。
■ [大事なこと]妄想
以前からの妄想が、よりリアルにイメージします。
年末の大学合格ランキングで東京大学合格者のランキングで灘校やラサールを広域通信制高校が凌駕したら・・。今までにも名物校長が学校改革を行い、進学実績を驚異的に上げた学校があります(例えば京都の堀川高校)。しかし、その学校の競合校は通学可能範囲に限られます。しかし、広域通信制の競合校は全国です。通学範囲内に適当な進学先がない地域は日本に多くあります。その地域の医者の子どもが広域通信制を選ぶでしょう。
その中で生き残れる普通科高校があるでしょうか?
可能性があるとしたら職業科高校です。職業科高校は通信制と同じく、かなりの自由度があります。しかし、それを活かしていない。もし、地域企業、また、職人とデュアルシステムを構築し、地域での就職にアドバンテージがある学校を創れば広域通信制高校に勝てます。さて、そう考える人がどれほどいるだろうか。
義務教育だって対岸の火事ではありません。これから学区が合併し、実質上、通学が困難になる地域は拡大します。
大学だって対岸の火事ではありません。広域通信制高校の生徒が東京大学に進学するのがダサいと感じ、アイビーリーグに進学するようになったら。日本のトップ大学は待ったなしにアイビーリーグでの教育、つまり、アクティブ・ラーニングに対応しなければ生き残れなくなってしまいます。
なんとかソフトランディングして欲しいと願います。
■ [大事なこと]恐れ入りました
何度も書きましたが、1条校は学習指導要領に縛られているので個別最適化した教育は不可能だと思っていました。しかし、「なんで1条校のN高校であれだけの柔軟なカリキュラムを運営できるのだろう?」と不思議に思っていました。正直申しますと、グレーな運用をしているのだろうと想像していました(関係者の皆さん、ごめんなさい)。
しかし、分かりました。
高等学校学習指導要領に「通信制の課程における教育課程の特例」があります。その中に、以下が書かれているのです。
『学校が,その指導計画に,各教科・科目又は特別活動について体系的に行われるラジオ放送,テレビ放送その他の多様なメディアを利用して行う学習を計画的かつ継続的に取り入れた場合で,生徒がこれらの方法により学習し,報告課題の作成等により,その成果が満足できると認められるときは,その生徒について,その各教科・科目の面接指導の時間数又は特別活動の時間数(以下「面接指導等時間数」という。)のうち,10分の6以内の時間数を免除することができる。また,生徒の実態等を考慮して特に必要がある場合は,面接指導等時間数のうち,複数のメディアを利用することにより,各メディアごとにそれぞれ10分の6以内の時間数を免除することができる。ただし,免除する時間数は,合わせて10分の8を超えることができない。
なお,生徒の面接指導等時間数を免除しようとする場合には,本来行われるべき学習の量と質を低下させることがないよう十分配慮しなければならない。』
つまり、理論上、学習指導要領の縛りを2割まで減ずることが出来るのです。ちなみに、この規定は現学習指導要領にも書かれています。
これを読んで腰が抜けました。現行制度は脱工業化社会にも対応できるが、それを阻んでいるのは思い込みであることを再確認しました。
私は学校教育関係の法規は読んでいる方ですが、まさか学習指導要領の中に、こんな爆弾が潜んでいるとは思ってもいませんでした。己の不明を恥じます。もしかしたら文部科学省の中には恐ろしい智恵ものがいるのかもしれません。ちなみに学校法人角川ドワンゴ学園理事長の山中伸一さんは文部科学省の事務次官を務めた方です。恐れ入りました。
規定があってもそれを利用しようとする公立学校はなかったと思います。しかし通信制の可能性を求めた方の中には、この規定の可能性を見いだした方がおられた。おそらく、その一人が奥平博一N高校校長だと思います。さすがです。
1条校はこれだけのことが出来て、広域から子ども達を集められたら、公立の生き残る道があるのだろうかと思います。少なくとも今の授業だったらN高校に勝てる高校は殆ど無い。
法規上、義務教育段階の通信制を阻むものはありません。事実、病休児に対しては通信制を義務教育段階で認めています。でも、1条校に拘る必要もないかも知れません。N中等学校は1条校であるN高校と繋がっていることを強調すれば、保護者の心理的抵抗感も減少するでしょう。できれば、多種多様な通信制高校、中学校、小学校が生まれ、切磋琢磨すれば、子どもと保護者の選択の幅が広がります。
私が予想した速度より遙かに速い速度で学校教育制度の激変が起こるのではと思いました。教師や教育委員会が改革するのではなく、子どもと保護者の選択によって改革が進みます。もし、公立学校がソフトランディングするならば、「2030年教師の仕事はこう変わる!」(https://amzn.to/2JCJLHi)で書いた特区の公私協力学校を設立し、N高校、N中等学校の公立版を設立することですね。(ま、何を言っているのか分からないでしょうが)そうすれば経済的理由で私立の通信制をためらう保護者にも門戸をひろげることが出来る。そして、現状の学校教育にフィットしていないため、阻害されていると感じている、ギフテッド、特別支援、不登校の子ども達を救うことが出来ます。
追伸 N高校、N中等学校の教育を知れば知るほど、異学年合同『学び合い』と相性がいいことが分かります。ようは「安易に仲間を見捨てることは損」ということを言えばいいだけのことです。