■ [大事なこと]総合的に解決
多くの問題に対して、短期間に完全解決を求めるのが人の性です。しかし、そんなに簡単ではありません。そのため長期間かけて、「まし」を積み上げる必要があります。だから、「多様」で「多数」な方法を「やり続ける」ことが大事です。『学び合い』はそれを実践しています。ただし、多様で多数な方法ですが原理・原則ははっきりさせねばなりません。『学び合い』は「一人も見捨てない」という願いと、学校観、子供観の3つです。それによって、選択する方法と選択しない方法を峻別することが出来ます。原理・原則があれば、それらの効果は相乗効果を生み出します。
しかし、原理・原則の無い総合的な解決とは、簡単に言えば「行き当たりばったりで、とにかく頑張る」という頼りないものなのです。原理・原則が無いならば、それらは多様で多数の方法は互いに打ち消し合う可能性があります。
ある誠実な方の発言を聞きながら、それを思います。
■ [大事なこと]これからの個別最適化を実現する学校
現在の1条校の代わりに個別最適化を実現する学校として3タイプが思いつきます。第一は、N高校やトライ式高等学院のような広域通信制の学校です。今後、初等教育にも生まれるでしょう。しかし、検索サービスがグーグルに集約されたように、大手の寡占が進むでしょう。
第二は、何らかに特化した広域通信制学校です。例えば、海外名門校進学に特化したインフィニティ国際学院です。大学の数学科と連携したギフテッドのフリースクールも考えられます。学校教育法第90条②を大胆に使う大学が生まれるかも知れません。
第三は、地元企業と連携したフリースクールです。これは就労体験が中心となり、デュアルシステムの学校です。特別支援の必要な子どもが、小学校、中学校の頃から、自宅から半径20km以内の事業所での就労体験をするのです。「特別支援学級のキャリア教育入門」をお読みの方だったら、その意図が分かると思います。
以上の学校は、どのような人、どのような大学、どのような企業と繋がっているか、その数と多様性が勝負になります。
本当だったら、これに一つ加えたい。それは1条校が自分たちの強みは、小さい頃から一緒に学んだ人との生の繋がりを武器にすることです。ただし、これは崩壊が進まない限り生まれないでしょう。残念ながら改良を積み上げて何とかしようとする。その結果として、校則が長くなり、複雑になるように、訳が分からなくなる。結局、教師の負担が多くなる。