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関係の固定化

 『学び合い』に対してご懸念の代表的なものの一つに、関係の固定化があります。つまり、教える側、教えられる側が固定化されるというものです。しかし、日常生活において、教え/教えられる関係が固定化しているのが普通ではないでしょうか?教え/教えられる関係が流動化している関係を日常で探してください。もの凄く希だと思います。そして、関係が固定化することは不健全ですか?私は携帯の使い方が分からないと学生さんに聞きますが、この関係が不健全だとは思いません。家内は地元料理のことを年長の主婦に聞きますが、その関係は不健全だと思いません。

 その固定化した関係が主従関係、権力関係になってしまうならば不健全で、そうでなければ健全です。

 多くの教師は知識・技能を個人の頭の中に保存しようとします。しかし、これは非効率だし、不可能の場合が多いです。人には得手不得手があります。社会では全ての知識・技能を自分で獲得しようとしません。誰がどんな知識・技能があるかという知識(トランザクティブメモリー)を持っていて、その知識・技能を使わせてもらえるならば、自らがそれを持つ必要はありません。

 パソコンでも多くを繋ぎ並列処理をすればスパコン並みのパフォーマンスを上げます。その時、個々のパソコンに主従関係、権力関係はありません。『学び合い』では、そのような集団を育てます。そのために、社会での仕組みを語ります。多くの場合、教える側の子どもはそれを理解するので、集団としての健全性が保たれるのです。

 ちなみに、『学び合い』ではミニティーチャーのような固定的な教え/教えられる関係を教師が強いません。教える側と教えられる側が自分にとって有利な選択を流動的に行います。そのため、健全性が保たれるのです。