明治以降、一番、不幸な役回りを強いられている文部科学省大臣(文部大臣)のは荻生田文科大臣だとおもいます。入試改革、アクティブラーニングのキャンセルのいいわけをさせられているだけでも不幸なのに、今回はコロナ対策のいいわけをさせられている。
私の大学院の指導教官は小林学先生です。その先生から教えてもらったものの一つに、文部省の本省の役人の綿密さです。例えば、学習指導要領にある実験を「やる」と書く前に本省の役人は全国の学校に問い合わせをして、その実験を出来る器具・設備があるかを確認します。そして、それが満たされないとき、大蔵省(現在の財務省)に交渉し、それを実現できる予算を確保します。それがなされたとき、「やる」と書くと教えてもらいました。最初に聞いたとき、そんなことまで考えているのかと、ビックリして、超ブラックな勤務の中で日本を考えている人がいることに畏怖し、尊敬しました。
荻生田大臣の会見を聞きましたが、「文科省は頑張ります」、「現場も頑張ってください」というメッセージしか読み取ることが出来ません。法解釈のプロである本省の役人のしたたかさを感じることは出来ません。私が小林先生から教えてもらった本省の役人のプロ意識はどうなったのでしょうか?
小林先生とは年賀状のやりとりしか今はありません。でも、小林先生の教えてくれた本省の役人の気概は今も健在だと思います。だったら、なんで・・・と思います。