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対応策

 授業再開が伸び続ければ文部科学省の言う「標準時間数だから」といういいわけでは追いつかない状態になることは自明です。私の考える実現可能な対応策は「どのように学ぶかを指定せず、何を達成すべきかを明示する。」に尽きます。

 具体的には、小中高の5教科であるならば、標準的な問題集を指定します。ネット環境・家庭環境が許される子どもたちはネット上の多様なコンテンツを使います。また、電話、メール、ライン、テレビ電話を活用して同級生、教師と繋がります。学校に登校して学ぶことも可能ですが、その場合はソーシャルディスタンス、マスク、手洗いの徹底を求めます。

 工業化社会は規格化、同時化に縛られています。だから、学び方を同じにしようとしているのです。しかし、規格化、同時化は三密につながります。さらに、現状の教師に今までやったことのない仕事を一律にさせようとしています。例えば、ネット授業のコンテンツをつくらせています。そんなの無理です。全国70万人の小中高の教師にそれを強いれば、結局、「やったふり」の免罪符を行政みずからが与えるしかありません。

 餅は餅屋に任せましょう。コンテンツは既存のコンテンツを活用すればいいのです。幸い、多くはネットに無料で提供されています。ド素人の教師がつくるものより遙かに質がいいことは自明です。そうすれば、教師はネット環境・家庭環境でネットを使えない子どもの対応に集中できる。ネットを活用している子どもの心のケアに集中できる。出来もしないネットコンテンツをつくることに時間を費やすのと、子どもと電話やメールやラインで個人的にやりとりすることに時間を費やすことのどちらに価値があるでしょうか?

 ですが、工業化社会のコードに支配されている行政はそこに踏み込むことは出来ません。しかし、その行政も早晩、自分たちのやっていることでは対応できないことに気づくでしょう。ギリギリの時になって手遅れの対策を後手後手に出すことになるでしょう。

 では、どうしたらいいでしょうか?

 皆さんの出来ることをやればいい。

 具体的には行政の求めることはやりましょう。ただし、その意義を見いだせないものに対しては「やったふり」をすればいいのです。求めている行政も自分たちが求めていることが実現可能ではないことを気づいている人は少なくありません。しかし、行政は「やったふり」をしなければならないのです。それを理解し、互いに「やったふり」をすればいい。

 そうして手を抜いた時間に、上記のような試みを一部の人がやればいいのです。ポイントは「も」です。ド素人のつくった質の低いコンテンツを利用することを子どもに求めてもいいです。しかし、それ以外のコンテンツ「も」使っても良いとすればいいのです。「も」ならば行政も顔が立ちます。

 校長に対してもそうです。現場にいる校長はこのままの延長上にいると大変になってしまうことを知っています。でも、管下の職員の顔を思い浮かべれば、一律に求めるとしたら低レベルのことしか出来ないことも分かっています。だから、今後、状況が悪化したときのために先行的に自分のやってみたいこと「も」試みることを認めてもらうのです。何度も書きましたが、法に反しない限り教育内容・教育方法に対して行政は校長に命令は出来ないのです。校長も行政の求めるものに対してそこそこ対応し、独自の教育内容・教育方法「も」やることを求めれば行政は許すでしょう。

 あとは保護者・子どもの支持を得なければなりません。早急に、クラスの子どものネット環境・家庭環境を調査し、ネット活用が可能な子どもはどれほどかを調査します。そして、それが可能な子どもには上記を実施し、それが難しい場合は、学校での指導をすることを提案するのです。つまり、保護者・子どもに対しても、複数のオプションを提案し、選択させるのです。

 以上です。

 つまり、私の提案していることは、全日制の学校が広域通信制になることを提案しているのです。そして、『学び合い』の実践者だったら、ウエルカムですよね。『学び合い』で必要なことは「一人も見捨てないことは自分にとって得である」ということを自身が信じ、子どもに語ることです。それさえすれば、方法は任せているのですから。

 『学び合い』の実践者の皆さん、したたかになってください。行政が後手後手の対応策で現場が混乱したとき、皆さんが各学校においてのセーフティネットになります。周りの同僚に、具体的な選択肢を提供することが出来るのはみなさんです。