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口伝

『学び合い』には3段階があるように思います。

 第一階層は、実践です。例えば「孤立している子どもいるけどどうするの?」というレベルです。これに関しての本は完備しています。

 第二階層は、理論です。孤立している子どもを動かそうとしても無理で、孤立していない子どもを動かしましょう。というレベルのことを理解するための理論のレベルです。これは2010年ぐらいまでの西川ゼミの研究、その基礎となった認知心理学の研究があります。

 第三階層は、思想のレベルです。一人も見捨てないことは自分にとって「得」を理解するレベルです。これは難しい。教育村レベルの知識をいくら積み上げても到達しません。

 第一階層ならば、心ある教師ならば数十年の中で獲得できます。逆に言えば、多くの教師は獲得できません。の

 第二階層は、本を読まない教師は基本的に獲得できません。いつまでも第一階層にとどまります。自分なりに理論にしようとしても、実証的データの裏打ちが無い限り、いつまでも、根拠俺、のレベルを超えられません。自分の成功体験の限界を知るためには普遍性のあるデータが必要です。私は『学び合い』に関するありとあらゆる本で書いています。

 ここまでで、本を読めば大丈夫です。しかし、思想のレベルは困難です。このレベルに達するには教育村のレベルを超えなければなりません。これからの時代を読み解くような本を読まねばなりません。でも、普通の教師がそれを読むことはありません。何よりも、何を読めばいいか分かりません。だから先達との対話が必要です。私のゼミではゼミ生と対話し続けます。その中で伝えます。私以外でも、私が書いた『学び合い』を殆ど書いていない本を理解する人が伝えればいいのです。その人たちが多くなるように、本を書きました。

 ふと思います。私は第三段階の口伝をあと、何人で出来るだろうか、と。これってゼミ生としか出来ません。私は60歳です。現役は限られています。ネット上で伝えられることと、口伝は違います。