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再開後

 文部科学省の「新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業等に伴い学校に登校できない児童生徒の学習指導について(通知)」(令和2年4月10日)によれば、学校の再開後においてやむを得ず学校に登校できない児童生徒とは以下の4タイプです。

 

① 児童生徒の感染が判明した場合又は児童生徒が感染者の濃厚接触者に特定された場合

② 児童生徒に発熱等の風邪の症状がみられる場合

③ 医療的ケアが日常的に必要な児童生徒や基礎疾患等のある児童生徒について、事務次官通知に示す内容に従い、登校すべきでないと判断された場合

④ 校長が「非常変災等児童生徒又は保護者の責任に帰すことができない事由で欠席した場合などで、校長が出席しなくてもよいと認めた日数」として認めた場合

 

 これらの子ども達に対しては、児童生徒が規則正しい生活習慣を身に付け学習を継続するとともに、登校の再開後も見据え、学校と児童生徒との関係を継続することができるよう、可能な限りの措置をとることが必要です。また、その取扱いについて、保護者の十分な理解と協力を得るように努めることも重要です。このため、地域の感染状況や学校、児童生徒の状況等も踏まえながら、家庭学習と、家庭訪問の実施や電話の活用等を通じた教師による学習指導や学習状況の把握の組合せにより、児童生徒の学習を支援するための必要な措置を講じなければなりません。

 学校が課した家庭学習が「教科等の指導計画に照らして適切に位置付くものであること。」及び、「教師が当該家庭学習における児童生徒の学習状況及び成果を適切に把握することが可能であること。」を満たしており、児童生徒の学習状況及び成果を確認した結果、十分な学習内容の定着が見られ、再度指導する必要がないものと学校長が判断したときには、学校の再開後等に、当該内容を再度学校における対面指導で取り扱わないこととすることができます。

 ③の児童・生徒の場合、コロナ終息するまで登校できない可能性は高いです。また、家族の中に基礎疾患等がある場合、校長が④と認める可能性があります。この場合も、先と同様にコロナ終息するまで登校できない可能性があります。

 感染すると重症化しやすい基礎疾患の糖尿病が強く疑われる者は1000万人を超えています(厚生労働省 平成28年「国民健康・栄養調査」)。同様に心疾患は約170万人(厚生労働省 平成29年「患者調査概況」)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)は約26万人(厚生労働省 平成26年「患者調査概況」,透析を受けている方は約33万人(日本透析医学会 「わが国の慢性透析療法の現況(2017年末)」)、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方は50万人(ガン患者数151.8万人 「患者調査」による悪性新生物の総患者数(平成20年)と抗がん剤使用率30.1%「JMDCレセプトデータベース」(平成17~21年:がん患者8,928人)に基づく推計)です。

 さらに、65歳以上の人口は日本人の28.4%を占めています(総務省統計局 令和元年「人口推計」)です。三世代世帯の割合は11.0%を占めています(平成30年版高齢社会白書(全体版))。こう考えると、④の対象となる児童生徒は少なくありません。

 ③④の児童生徒の欠席は長期化し、登校できるようになってからの補習で補うことは出来ません。このような子ども達に対して学びを保証するためには、学校は「教科等の指導計画に照らして適切に位置付くものであること。」及び、「教師が当該家庭学習における児童生徒の学習状況及び成果を適切に把握することが可能であること。」を満たす家庭学習を行い、成果の確認・評価をしなければなりません。

 自分自身や家族に基礎疾患があったり、高齢者であったりする教員も少なくありません。そのような人達に対して、労働契約法第5条の安全配慮義務にそって、テレワークの可能性を探る学校があって欲しいと願います。

 

 以上のことから、再開後の授業は以下であるべきだと思います。

 まず、保護者に対して文部科学省の指針に従った感染予防をすることを伝えます。しかし、教室は三密であること、授業外の時間での子ども同士の会話・接触を完全に遮断することは出来ないことを伝えます。その上で、「教室での授業」、「家でのオンライン授業」という選択肢を提示します。さらに、家でのオンライン授業を希望するが、何らかの理由でそれが不可能の家庭には、学校の機器を貸し出し、学校のネット環境を利用しながら「学校内(教室外)でのオンライン授業」という選択肢を提示します。

 教室の授業では同時配信のオンライン授業を行います。その映像はオンライン授業として配信されると同時に、教室内のディスプレイに写され教室の子どもはそれを視聴します。基本的に教師は教室で授業しますが、基礎疾患等の理由があれば、別室(または自宅)で行うことも可能です。その場合は、教卓には子どもの方を移す方向でパソコンを設置します。この方法ならば、感染が疑われる場合でも、症状がないならば自宅で授業を続けることも可能です。

 「家でのオンライン授業」、「学校内(教室外)でのオンライン授業」を選ぶ子ども・保護者が一定数いれば、「教室での授業」での三密をかなり緩和できます。

学校内においては、マスク・手洗いを徹底し、話すときは対面せず同じ方向を向くことを条件に、給食時以外の会話を禁止しません。会話を全面禁止するという子どもが絶対に守れないルールより、守れるルールを徹底する方が、子どもの健康・生命を守ることに繋がります。

 オンライン授業の方が教室の授業より相対的に安全であるのは自明です。もし、校長がオンライン授業の併用を決めたとき、外野からとやかく言われても、教育の内容と方法は第一義的には校長が判断することです。令和2年の状況において、「子どもの健康・安全のためです」と校長が言い切ったとき、それを止められる人は誰かいるでしょうか?県知事でも無理です。

 

追申 もう一つ危惧していることがあります。現在、非常勤講師が見つからず、教頭や教務主任が担任を兼務している学校は少なくありません。高等学校の家庭科、美術等の教科担任が見つからず困っている学校は少なくありません。頼る先として、退職者に電話をかけまくり、お願いしているのが現状です。いまのようにテレワークを考えていない学校現場では、それらの人が断るのではないかと危惧しています。