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誇り

 教師が本当に子どもに語りたいことは多いです。もし、それが一回だけだとしたら、何を選びますか?

 本日、ある授業にそれを言いました。

 革命家ゲバラが我が子に言った言葉です。

 『世界のどこかで、誰かが蒙っている不正を、心の底から深く悲しむことのできる人間になりなさい。それこそが革命家としての、一番美しい資質なのだから。』

 お叱りを覚悟で申します。

 多くの教師は子どもが奈落に落ちることを知らない。

 小学校の先生方は、卒業式で胸を張って行進する6年生の姿を見れば満足します。

 中学校の先生は、卒業式で胸を張って行進する3年生の姿を見れば満足します。かなり危うい子も高校に進学します。だから、ほっとします。

 私は最底辺の高校の教師が教師生活の出発点です。目の前で奈落に落ちる子どもを見ました。いや、私がその奈落に落ちる手続きをしました。それを忘れません。私はそれが耐えられなかったので大学教師に逃げました。もし、私が義務教育、いや、偏差値中の上の高校教師だったら大学教師になっていないかもしれません。

 私が高校教師だった頃に比べ、奈落に落ちる子どもは多くなっています。偏差値55以下の子どもはそうでしょう。偏差値40ぐらいの子どもには救いがあります。だって、その高校の教師だったら私の言う奈落の意味が分かるから。

 でも、私は本日は私の授業を聞く若い学生さん、現職院生にゲバラの言葉を贈りました。

 これからの時代の子どもの大多数の幸せは、偏差値競争の先にありません。親の近くに、中学校区に住宅を建て、義務教育でであった人と結婚し、妻と夫の両親と子育てをする。それが幸せです。

 私のモデルが間違ったら、ご指摘ください。でも、教師たるもの、子どもの幸せを妄想して欲しい。教師の人生の意味は3桁の足し算の繰り上がりを教えることではありません。殆どの時間をついやす教科指導ではなく、部活指導に燃えることでもありません。

 これからの時代における子どもの幸せは、高卒で地元に就職し、小中高の同級生と結婚し、子育ては夫婦のジジババと一緒にやる。旧学歴モデル、つまり、偏差値は幸せを保証するというモデルと違う人生を送って欲しい。