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シンプルな疑問

「一方的な授業がよくないって根拠があれば知りたいなぁ。」というつぶやきがネット上にありました。とても素敵なつぶやきです。シンプルで根源的な疑問は多くのものを生み出します。

 教育に関して基礎的な実証的な調査というのが殆ど無くて、多くは根拠オレレベルが横行しています。たしかに少数ですが一方的な授業より対話的な授業の方が成績が上がるという調査もあります。しかし、教育には変数が多い。例えば、学ぶ内容、学習者の年齢、学校段階等々あります。それを超えて普遍的に応えようとした場合、少数の前提に基づいて論理的に説明するべきでしょう。私だったら以下のように説明します。

 前提としては「人によって分かりやすい説明は異なる」と「その説明が分かるか分からないかを判断できるのは当人である」(我々は人の心を読める超能力者ではないのですから)の二つです。おそらく、この前提は認めてもらえると思います。少なくとも、認めてもらえる人ならば、「一方的な授業では1種類の説明をするので、その説明が分からない人は分からないままになる。対話的な授業ならば、説明を聞く人が分からないと伝えることが出来て、説明者が別な説明をするので、分かる可能性が高まる。」という説明になるでしょう。

 ただし、これが可能なのは1対1の関係で、1対30人の授業では不可能です。だから、『学び合い』では、30人が学び手になり、教え手になる。教師はそのような集団を維持・向上することが仕事となります。

 ちなみに、もし一方的な授業で分かるのだったら授業しなくてもいいはずです。授業で話すこと、書くことをプリントして渡せばいいのですから。そんなことあるわけないですよね。

 義務教育のクラスには将来、東京大学に合格するかもしれない子どもがいる一方、知的障害が疑われる子どもがいます。その子達に一つの口、一つのチョークで教えるなんて、どだい無理なことなのです。

 以上、私なりの証明終わり。