パーキンソンの法則をご存じでしょうか?イギリスの歴史学者が提唱した法則です。具体的には以下の通りです。
第1法則 公務員の仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第2法則 公費の支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
というものです。このようなことが起こるのかといえば、「役人はライバルではなく部下が増えることを望む」、「役人は相互に仕事を作りあう」が原因です。かなり普遍性のある法則です。
今までの教育に関係する改革は、常に「予算を増やす」、「人員を増やす」というもので問題を解決していました。でしょ?これは公務員の生態に基づくものです。でも、無駄です。予算をいくら増やしても、その予算では足りなくなるほど予算が増えます。人員をいくら増やしても、その人員では足りなくなるほど仕事は増えます。そして、賢い公務員はもっともらしい理屈を構築します。これは教育の場合は通りやすい。だって、「子どものため」が葵の御紋の印籠なのですから。
だから、「予算を増やす」、「人員を増やす」という対策に全く共感できません。では、どうすべきか、削るのです。やめるのです。
ビルド&クラッシュというのは不正確で、クラッシュ&ビルドなのです。それが出来ない改革は、もっと「予算を増やす」、「人員を増やす」という方向に進みます。ま、無限に続きませんから、潰れます。そして、予算が無いから、人員が無いから、という自己憐憫に陥るのです。
追申 過去の私の書いたことを思い出してください。「予算を増やす」、「人員を増やす」はなかったと思いますよ。削ること自体が新たな価値を生み出す提案をしています。『学び合い』なんて、その最たるものですよね。今の教員が後生大事にしている、発問、板書、教材研究を削ることによって、子どもの主体的・対話的な学びを生み出したのですから。ま、その他の私の本も、基本、削るを基本としています。破壊的イノベーション、ブルーオーシャン戦略と同じです。