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立ち位置

 みなさんご存じの吉本興行の役員はどのように決まるか知っていますか?

 吉本の芸人として一定以上の実績を上げて、年齢が一定以上の人から選ばれるのです。何故、芸人から選ばれるかと言えば、芸人としての経験を通して、芸人の気持ちがよく分かるからです。

 知っていましたか?

 知らなかったでしょ。

 だって、上記は嘘だからです。

 ただ、上記を読んだときどう思われました?きっと違和感をもたれたと思います。だって、芸人としての職能と、役員の職能は違いますから。でも、これと同じような人事をしている組織があるのです。何だと思いますか?

 学校です。

 校長の大多数は教師としての実績を上げた教諭経験者です。その人たちの中で一定年齢以上の人が試験を受けて校長になるのです。これっておかしくないですか?教諭の気持ちがよく分かるから、教諭経験者から選ばれるのって妥当ですか?

 私はおかしいと思います。だって、教諭の職能と、管理職の職能は違います。

 経営学のリッカートの研究によれば、下級管理職、つまり平社員と同じ仕事をやりつつ管理をする管理職、具体的には主任や係長レベルの職能は平社員の職能と同じです。学校で言えば、学年主任の職能は平教諭の職能と同じなのです。

 ところが上級管理職、つまり平社員と同じ仕事をしない管理職、具体的には社長や取締役の職能は平社員の職能とは全く違うのです。それは目標を設定し、管下の職員に納得させるのです。短く言えば、ドリームメーカーなのです。

 残念ながら日本の校長の中でリッカートの言う上級管理職の職能を持つ人はどれほどいるでしょうか?工藤勇一校長はその一人です。また、「仕事はここまで削減できる! 学校改革スタートブック」(https://amzn.to/2R9LBlZ)で紹介した、歴代の大分大学附属小学校の歴代校長もそうでしょう。

 もし授業検討会で細かくアドバイスする校長、総合的な学習の時間の計画立案に自らの過去の事例を紹介する校長、これらは下級管理職の立ち位置なのです。

追申 『学び合い』における教師は校長の立ち位置です。管下の三十人の教えて/学び手がいて、子どもたちが各種主任を務めています。その管下の子どもたちに方向性を与え、心にエネルギーを注入するのが仕事です。