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視点

 広島県の平川教育長が面白いことをやろうとしています。管理職試験に授業観察記録を提出させることを始めたそうです。  
 実に面白いと思います。
 以前、教師の職能は何と思っているかを研究したことを思い出します。簡単に言えば、最初は「教材」に対する知識・技能を職能と考えます。ま、そうですよねそれが無いと授業になりませんから。これは教師経験数年以内の人です。それが7、8年になると指導法が大事であることが気づきます。そして、十数年になると、子どもの見取りの能力が大事であると築きます。
 なお、全ての人が3つの能力を獲得出来るとは限りません。退職まで「教材」一本の人がいます。それで一目を置かれる教師もいます。ですので、多くの教師は、「教材」、「教材+指導法」、「教材+指導法+子どもの見取り」に分かれます。
 しかし、その先がいます。これは郡市で数人レベルの教師が達せるかどうかです。それは「子ども集団のみとり」です。この人が授業検討会で発言すると、検討会の議論の流れががらりと変わります。
 校長にも上記4タイプに分かれます。
 「教材」の校長は『学び合い』が理解出来ません。何しろ、板書や発問が無いのですから。『学び合い』にも指導法はありますが、それが従来型の指導法と違いすぎるので、何もしていない放任に見えます。それ故、この二つのタイプの校長には受けが悪い。
 しかし「子どもの見取り」が出来る校長になるとがらりと変わります。何故なら、普段だったら学習を放棄している子どもが学習に向かい続けている姿、普段だったら孤立している子どもの周りに子どもが集まっていることに気づきます。それ故、『学び合い』の指導法の仕組みが分からなくても、その可能性に気づけるのです。
 そして「集団の見取り」が出来る人だと、『学び合い』の指導法の仕組みを大凡理解することが出来ます。『学び合い』は集団を動かすためのゴールデンルールですから。
 授業観察を書かせれば、校長がどのタイプか一目瞭然です。
追伸 以前、教師にビデオカメラを渡して授業記録を取らせました。これまた一目瞭然ですね。多くの教師が近づいて、板書やノートや子ども個人を写しているのですが、『学び合い』実践者は教室全体を写しています。そして、特徴的な行動があると、さっと近づいて行きます。