学術論文には書き方があります。それを分かっている人は論文を量産できます。一方、それを分かっていない人は、色々なことを知っているのに論文を書けません。そのノウハウは「実証的教育研究の技法」(https://amzn.to/2JJiPbd )にまとめました。これがあるから、私のゼミ生が学術論文を書けるのです。もちろん、本には書けないノウハウもあります。これは口伝です。
ゼミ生に査読付き学会誌の業績を上げさせることは容易いことです。でも、今はそうしたいと思いません。特に研究者として育てるつもりのない学生の場合はです。その学生の教師としての指針になるものを与えたい。
学生と研究の話をすると、最初は長々と語ります。でも、つまらないのです。一生懸命に背伸びして難しげな言葉を語ります。そのときは、以下の様に語ります。
「おそらく、俺に聞いてもらえるから、分かってもらえるだろうと手を抜いている。君自身が分かっていないことを長々と話している。西川先生だったら、それを理解して、教えてもらえるだろうという気持ちが見え見えだよ。研究のための研究はやめなさい。」と言います。そして「君の後輩から『先輩、どんなことを研究しているのですか?』と聞かれたら何と言う?」と言います。そうすると、とても良い説明します。
後輩を想定すると、ゴチャゴチャしてものの中から、本質を選びます。それが良いのです。その根幹が良ければ、学術の作法に合わせるのは容易いことです。今年も楽しみです。