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 昨年末に以下をFBでつぶやきました。

『チェリまほを観て思います。私はかなりの数の小説と映画を観ました。しかし、チェリまほに比肩するものを思い出せません。

条件として、「みんないい人」、「ハッピーエンド」という条件の下での純愛です。私の仮説ですが、これが成り立つのは同性同士という設定があるのかなと思うのです。でも、そうでないのがあると、いいな。ちなみに、今までに好きだったのは邦画の「君に届け」と洋画の「フォロミー」です。

 候補を教えてください。年末年始、それを楽しみたい。』

 

 それに対して、以下の「青のフラッグ」(https://amzn.to/3okiZ8o)を紹介していただきました。

『つい最近完結した、「青のフラッグ」、コミックスですが、「みんないい人だし、ハッビー?エンドかは人によると思いますが、不愉快感のないエンド」です。

LGBTQを含む、高校生の青春群像劇ですが、主要キャラ以外の深みがすごくいいです。ご都合主義の悪役とか、いい加減な悪い大人が全然出てきません。』

 

 読みました。本当にみんないい人ですし、真剣に互いに向き合っているのです。このコミックの面白い点は、全8巻の大部分は不器用な男女の高校生の高校3年の一年間を描いているのです。LGBTを扱っているとは思えません。まあ、それが暗示されるのは中盤の数ページ程度です。しかし、どのようにも解釈できるような表現です。私も男女ものだと読みました。LGBTを扱っていると分かるのは最終盤です。

 全編を通して性的描写はありません。というか、キスシーンさえないのです。不器用な男女の高校生が真剣に相手を思っている描写ばかりです。それが続くのかなと思ったら、最後の最後で変わります。それも、自然に。そして、最後の1ページに痺れました。たった1枚にこれほどの情報があり、多くを想像させる作品に出会ったことはありませんでした。私の頭の中で、いろいろなドラマが生まれます。余白を楽しむようなものです。

 江戸の粋は極限まで削ることによって生まれます。この1ページは粋です。