国が国民全員(乳幼児も99歳の人も含めて)一人1台の自動車を配布したらどう思いますか?馬鹿馬鹿しいですよね。では、全ての子どもに一人1台のタブレットを配布することをどう思いますか?私は馬鹿馬鹿しいと思います。
現在の市場占有者は破壊的イノベーションを実行することは不可能で、持続的イノベーションしか出来ません。現在の工業化社会は規格化、同時化というコードに支配されています。だから、個別最適化した社会にフィットしないのです。その人達はタブレットを使わないという選択が実り多い可能性があることを理解できません。
学生さんから、中央省庁の様々な施策、都道府県教育委員会の様々な施策に関して、どう思うかと聞かれます。私は言下に、「気にすることはないよ。どうせ、それらの先に未来の社会・教育はないから」と言います。一方、それらの施策の背景となった審議会の議論、また、経済産業界の提言は読むべきだとも申します。
審議会の議論、経済産業界の提言は次の社会はどのような社会であるというイメージを含んでいます。特に経済産業界は自身の生き死に関わることなので、その提言は優れていると思います。しかし、現在の顧客のニーズに責任があり、現在の顧客の理解を得なければならない中央省庁、都道府県教育委員会は、破壊的イノベーションを持続的イノベーションにしてしまうのです。
学生さんには以下のように言います。
宮仕えなのだから、お上の言うことには従ったふりをしなければならない。でも、本気になって頑張る必要はない。どうせ、トーク&チョークの大好きな教師達が「今まで通り」に変質させるだろうから。じゃあどうしたらいいか?お上がどういったということと無関係に、自分はこれからの社会はどうなるか、そのときにどのような働き方があり、どのような教育をすべきなのかを持つべきだ。お上の言っていることの中には、そのことを支持する文言が入っている。それを使って理論武装すればいい。
最近は、SNSで流れる中央省庁の様々な施策、都道府県教育委員会の様々な施策は、ほぼ自動的にスルーする思考回路が形成されています。