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裏話

 今度、出版した「教師のためのお金の増やし方がわかる本」(https://amzn.to/2UoXjxV )の出版の裏話をします。そうすることによって、この本の特徴が分かるからです。

 今回の本は学陽書房にお世話になりました。しかし、その前にある出版社に打診をしました。長らくお世話になっているのですが、最近はヒット作を出していないので、申し訳なく思っていたのです。そこで、必ずヒットすると確信している企画を提案したのです。しかし、ボツになりました。

 そこで学陽書房にお願いした次第です。学陽書房のY編集長(だれだか分かる人も多いですよね)に提案したら検討していただけるとのことです。そして、何故、その出版社が出版をためらったかの可能性を教えてもらいました。最近、今度の本と同じように教師向けのお金の本を出版したのです。しかし、見事に大コケしたのです。その本は今度の本を企画する初期の段階で読みました。そして、先行する本がこれだったら大丈夫だと確信しました。

 コケた最大の理由は、読者層の特定、つまりターゲティングが間違っているのです。

 読者を大きく分けると四つです。

 第一に、投資リテラシーの高い人です。具体的には楽天証券やSBI証券に口座を持っていて、自分で多様なETFのポートフォリオを組んでいる人です。

 第二は、NISA口座等を始めているけど、ネット証券ではなく、店舗を持っている証券会社や銀行の口座で運用している人です。

 第三は、NISAという言葉は知っているけど、どうやったらいいか分からない人です。

 第四は、投資なんて怖い怖い。銀行にコツコツ貯めるのが老後対策だと思っている人です。

 コケた本の内容は、1~3の人たちをターゲットにしているのです。そのため、ボリュームゾーンである第三の人にとってはチンプンカンプンな説明が延々と続くのです。そのため面倒くさいし、胡散臭く感じられます。

 私は第一の人は対象から外しました。

 そもそも第一の人を対象とする本はあり得ません。というのは、本格的に学ぼうとするならば大学で専門に学ぶ必要があります。ノウハウ的に書こうとしても、日々の状況に大きく左右されます。だから、やろうとするならばネット動画・記事しかありえません。本では無理です。

 第二、第三の人は、資産形成をしなければならないという気持ちがありますが、どうしたらいいか分かりません。そして、その資産形成のために費やせる時間もありません。

 だから、本書で大事にしたのは、「一度設定すれば、ほっといていい方法」を重視しました。

 ただ、第三の方の場合、いきなり投資の話から入ったらドン引きされます。長期分散投資が博打ではないという説明を最後まで読んで貰えないと思います。だから、本書では、第一に老後にお金がかかることを、普段意識しない退職金や年金の具体的な数値を挙げながらイメージして貰いました。

 次に、ノーリスクでリターンが期待できる様々な方法を紹介しました。

 次に保険です。これを解約することが、最大のローリスク(ほぼノーリスク)でハイリターンなのです。これを理解して貰うには公務員が強制的に入っている共済が手厚い保険であることを理解して貰わなければなりません。そして、実際のリスクを理解してもらいました。保険会社は「もしも」と連呼し不安をあおりますが、実際に「もしも」が起こったらどれほどのお金がかかるかを知っている人は殆どいません。本書ではそれをゆっくりと丁寧に解説しました。

 ここまでのことで本書が信頼に値すると思ってもらった後に、長期分散投資が博打ではないことを過去のデータを通して説明しました。まあ、正確に言えば我々が生きていること自体が博打です。我々の日々の判断は博打です。その博打の中で、もっともリスクとリターンのバランスが有利なのが長期分散投資なのです。

 投資リテラシーの高い方にとっては、知っていることばかりでしょう。そして、「ちょっと勉強すればもっと有利」な方法があることをご存じでしょう。でも、その方々も多くの人はそれに乗らないことをも知っていると思います。

 本書は投資リテラシーが一定以上の人を増やすことが目的です。それによってより多くの人の投資リテラシーを高めたいのです。投資リテラシーの高い方も、自分の説明では分からない人に本書を紹介して欲しいのです。そして、本書では説明することを避けた、もっと有利な運用を教えて下さい。

 以上の考え方が多くの方々にご理解していただけたようです。著者として嬉しい限りです。