年齢による立ち居振る舞いというものがあります。
私が助教授だった頃です。今の同僚である桐生さん、水落さん、片桐さんがゼミ生の時代、「宇宙一厳しい研究室」をゼミ生は誇っていました。もちろん、怒りません、叱りません、ニコニコしていました。でも、そういう文化です。ゼミ生も、「厳しく指導されたいから」という学生が入ってきました。
でも、そういうことを予想しない学生も来ます。そうした学生は私のボスの戸北先生が引き取ってくれました。学生達は「最先端は西川研究室、自由は戸北研究室」という分類が出来ていたのです。
私の研究室で動きのとれない学生が、戸北研究室に異動すると普通に生活できる様子を見るとほっとします。
その時期から20年以上たちます。ふと気づけば戸北先生の立ち位置にいます。つまり、業績はどうでもいいという立ち位置です。その立ち位置のオッサンをやればいい。気楽です。戸北先生もきっと気楽だったのだと思います。今は分かります。年を取ると分かることがあります。