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創造性

 他大学で創造性を研究している学部4年生から、本学大学院への受験書類に書かなければならない研究計画書のことで相談を受けました。

 彼女に以下のように語りました。

 創造性というのは帰納や演繹で導くことが出来ない応えを生み出すことだと思われている。もし、その創造性を一定のプログラムで育てることが出来たら、その時点で創造性でなくなってしまう。

 そもそも汎用性の高い創造性など存在しない。文脈依存性、領域固有性から考えて、多種多様な創造性があり、子ども達一人一人に個別最適化しなければならない。そんなこと今の教育では不可能。

 多くの人が創造性を無から答えを引き出すことだと考えているが、そんなの無理。すくなくとも凡夫には無理。じゃあどうするか?私は数多くの学術論文を書いた。その源泉は、他分野を参照した。大きな本屋に行くと、自分の専門の棚の隣の隣の棚を覗く。私の場合は、そこに認知心理学があり、経営学があった。それらの本を読めば、その分野では広く知られており、方法論が確立されている知見がある。それを自分の領域に応用すれば独自性のある論文は書ける。

 創造性とはそういうものだと私は思っている。じゃあ、大きな本屋に行って調べるべきなのか?まあ、研究者はそうすべきだろう。しかし、一般人はお勧めしない。どうしたらいいか?多様で多数の知人を得ること。その人達に相談することがもっとも効率がいい方法だ。

 と語ると、「もう答えが出てしまいましたね」と彼女は笑い出しました。

 そこで私は以下のように語りました。

 学部卒の学生さんが考えてひねり出せるものなんて、とっくのとうに解決済みだよ。そうでなかったら研究者とは言えない。大学院では、今の自分では思いもつかないものが大事であることを知り、それを乗り越えることをしなければ。