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我が儘

 よっぱらいのくだ話です。

 採用されて最初の年です。怒濤の1学期。死ぬかと思うほどの忙しさ。夏休みも学校に来て先輩教師と馬鹿話、そして飲み会です。昼間、お茶を飲みながら「授業しない日々って、幸せだよな~」と先輩教師が言うと、私は大きく頷きました。もちろん、子どもは可愛いし、授業は楽しい。でも、子どもと真正面で関わることはストレスフルです。

 私の勤めている大学は大学院の定員充足が二十年以来、最重点課題です。しかし、歴代の学長は「頑張ってね」と言うばかりで、具体的なインセンティブは設けません。私は平均的な同僚の十倍近く学生指導していますが、給与はびた一文増えません。研究費は増えますが、出費の方が多い。コロナ以前は毎年30万円から50万円の持ち出しです。

 教え子であり、今は同僚・上司である人に「ねえ、私は学生指導しないで、みんなの学生指導のサポートをする役になりたいのだけど」と言いました。つまり親ではなくジジババの立ち位置になりたいのです。即座に「却下」と言われました。

 今は学部のゼミ生が一人です。これは30年以上の大学教師人生で初めてです。最初はビックリしましたが、実に心地いい。できの良い、やる気のある学生「だけ」を指導するのは本当に楽で、楽しい。

 私はバカな学生が大好きです。私の学生時代は大馬鹿で、クソでした。それに比べて、どんなバカ学生もいい子です。でも、私にとってメリットがあるかと言えば、メリットはないのです。それがハッキリしたので、博士の学生をとるのをやめました。

 退職まで、教師として全力を尽くします。

 でも、退職後はオンラインゼミのように、本気の人だけに関わりたいと思う気持ちが抑えられない。オンラインゼミ以外の人との関わりを断とうかなとも思います。