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何故分からない?

 安政の大獄があったのは1858年から1859年です。江戸城開城はその十年後の1868年です。井伊直弼の絶対権力下の日本人の中で、10年で江戸幕府が倒れると予想した人がどれほどいたでしょうか?

しかし、ごく少数ですがいました。正確に言えば、江戸幕府を倒さないと日本が危ないと確信した人達です。では、その少数の人達が日本を変えられたのは何故でしょうか?

 それは時代の必然だったからです。既得権益でがんじがらめになった市場占有者は改善を出来ても改革は出来ません。しかし、改革が出来なければ欧米列強に食い物にされるからです。それをアヘン戦争後の中国が実証しています。

 つまり、今の市場占有者がどれほど強固かと言うことは、それほど重要ではありません。現在の市場占有者が、今後も続けられるのかです。現在の市場占有者の改善によって状況が改善されたかを見れば分かります。明らかに高度成長期においては、市場占有者の改善はヒットしました。しかし、バブル崩壊後はどれもこれも失敗です。これは文部行政も同じです。バブル崩壊後の学習指導要領の改訂で高らかに謳われたもので残ったものが一つでもあったでしょうか?

 これは行政の人達が無能なのではなく、改革を許さぬ組織の中で、改革を目指す人達は潰されているからです。

 生物進化はニッチな個体群の中で発生します。大きな個体群の中では、次世代に繋がる変異は潰されるからです。ニッチな個体群の中で次世代に繋がる変異は強化され、純化します。そして、大きな市場に広がります。これは新たなサービス・製品も同じです。最初は「オタク」的な市場の中で生まれます。

 私は広域通信制、フリースクールにそれを見ています。

 今、N高等学校の分校が各地に広がっています。今は、三十万都市レベルですが、やがて二十万都市、十万都市、五万都市に広がるでしょう。つまり、日本の人口の95%以上の人が通学圏内に建てられると言うことです。このことの意味することを学校教育関係者は理解しているでしょうか?

 例えば広域通信制はスケールメリットを享受しやすいです。個別最適化した良質なコンテンツを安価に提供することが出来ます。これに対して、現在の教師の授業では太刀打ち出来ません。やがて、学習履歴に基づきAI分析をするサービスを本格化するでしょう。その中での学校教育のアドバンテージは、リアルな対面と地域コミュニティとの連携です。ところが、その価値を分かっていない学校関係者は指導法に血道を上げている。広域通信制に比べれば、鼻で笑われるレベルのGIGAの教材に血道を上げている。すみませんが失笑ものです。

 その間に、広域通信制がリアルな対面と地域コミュニティとの連携を図ったら。

 チェックメイトです。

 私にはハッキリ見える未来。そして、その枠組みで見れば、その流れをハッキリ示すニュースの山が流れ込んでいます。心の中で「何故、これが分からない!」と叫びたくなります。

 ま、それが普通です。

 ということも学術的に理解しています。でも、イライラしてしまう私がいます。