大学3年の息子と話しました。話を聞けば聞くほど、何も考えていないとしか思えません。同時に、大学3年の私より遙かに考えていることを理解します。私の両親は早くから親を亡くしました。だから中卒です。その両親は筑波大学に合格した私に対して心配していませんでした。でも、本当は当時であっても安泰ではなかった。
これからの時代は、私の時代と違って「当たり」が分からない時代です。しかし、外れは分かります。例えば、民間の新卒3年間の離職率は3割です。しかし事業規模30人未満の就職先だと大卒だと約5割が3年以内にです。業種別だと、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業は大卒の約5割が3年以内に離職します 。
つまり、小中企業、大企業で会っても宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業は「外れ」なのです。
それに今はもてはやされている、医者、歯科医、弁護士、銀行業、保険業、証券業、会計士も「外れ」なのです。このあたりは私の本を読んでいる人ならば自明でしょうね。正確に言えば、歯科医、弁護士は既に「外れ」なのです。私のゼミ生が読むフラット化する社会(https://amzn.to/3pLYO6F )を読めば分かるでしょう。
では、当たりは何でしょう。
それはニッチの市場です。つまり、それにフィットする人はごく少ないのです。
そこで私が息子に勧めたのは公務員、それも市町村レベルの公務員です。公務員の3年間の1%です(教員の離職率は0.5%)。その中で自分らしい副業を勧めました。私はそれで成功しています。
私の父は小中企業の社長です。景気のいいときは、家には札束の山が築かれました。しかし一方、何度か倒産しました。計画倒産ともいえますが、小さいながら不安になりました。だから、父の後を継ごうとは思いませんでした。
大学の研究室には色々な企業が繋がっています。指導教官の石坂先生は、外資系企業からのオファーを紹介されました。当時の初任給の5倍の給与です。でも、石坂先生は終身雇用でないことを言われました。結局、私は安定志向であることを自覚しました。結局、高校教師になり、国立大学の教師になりました。安定志向です。
息子は、一度も生活に不安を感じたことがありません。だから、安定の意味を知りません。
今、自覚します。私は息子に対する影響力は限定的であることを。理解させることは出来ます。でも、納得させる力はありません。それは所属している集団が出来ることです。彼は『学び合い』の集団の中にいません。無力感を感じます。
私のようになりたくない方々、考えて下さい。
上記のようなぶっ飛んだ考えと、毎日の授業をつなげているのが私の指導です。