今から20年以上前、『学び合い』の黎明期の時に謎だったことがあります。それは、ほぼ全ての授業で『学び合い』をしている小学校教師と、各クラス週4時間程度の『学び合い』をしている中学校、高校教師も、『学び合い』が軌道に乗るまでが3ヶ月程度なのです。
不思議でした。子ども達の受けている『学び合い』の授業数は段違いです。
やがて理解しました。3ヶ月かかったのは子どもではなく、教師なのです。小学校であろうと、中高であろうと1週間の持ち時間はほぼ同じです。そのなかで納得する時間が3ヶ月なのです。
だから2年目の人は直ぐに学級を創れます。極端な例を言えば、西川ゼミの現職経験の無いにーちゃん、ねーちゃんは2時間でクラスを立て直すことが出来ます。
ただし、覚悟が決まれば、2時間あれば8割の子どもを掌握するのは誰でも出来ます。それだけで、普通の教師が願ってもかなわぬレベルです。でも、それを9割にするのは1ヶ月かかるでしょう。それを9割、9割五分にするには1年かかります。そして、最後の数人も集団にするには神のレベルです。
でも、異学年学習をすれば、別です。教師の力で1年かかるプロセスを1ヶ月に短縮することが出来ます。子どもは集団の規範によって行動が決まりますから。
最近思うのはゼミはワインのようだと言うことです。毎年、毎年、「それが普通」ということが下級生に伝わり、私は「その上」を求めると、それが出来るんですよね。ですので、次の学年は、その上が出発点です。
新刊では西川ゼミの『学び合い』の姿を紹介しました(https://amzn.to/3BNdBEn)。でも、ゼミは今も進化し続けます。私のするべき事は信じること、彼らがやることは抜群の成果。
これを現場で実現するには、部活形式の異学年のクラスでしょうね。もちろん子ども達は別々なことを学びます。でも、集団は異学年です。子ども達は担任を選べます。それが実現できたら、みんな私の驚きと喜びを得られるのにな。
オフラインはあと2年半、でもオンラインはその後も。