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誇り

 私が40年前に理学部から教育研究の世界に移ってからの一貫しているテーマは何のために学ぶのか、学校教育の目的は何か?です。多くの論文を書きました。結果として、学会の定説は虚構だと思いました。少なくとも、学ぶ気のない子どもを動かす力は無いことを分かりました。

 その後、単純に子どもの姿を見続けました。そして、多くの経営学と社会心理学を学びました。その結果が『学び合い』です。

 私は高校教師であるとき、暴走族相手に物理の授業を成立させました。笑いあり、涙ありの授業を毎日積み上げました。しかし、結局、それらは自己満足です。子ども達の幸せを保障しない。当たり前です。彼らの幸せは、1年後、2年後、5年後、10年後、20年後、50年後の幸せなのです。当時の私には、その日の授業しか考えられなかった。その日の授業は大受けの授業は出来ました。でも、その先はない。

 それから藻掻いて、今があります。今は安心して、誇りがあります。

 三桁の足し算が出来なくても、大化の改新の年号が分からなくても、子どもの幸せのビジョンがわかり、自分が出来る小さな貢献が分かります。