一人の学部生が卒業研究のテーマとして「西川研究室」を選びました。
私自身が最高レベルの『学び合い』を実践しているのは西川研究室です。本当に何もしていないのです。しかし、本当になのもなければ上手くいくわけありません。だから、最近、「西川研究室って上手くいっているよね?居心地も良いし、パフォーマンスも高い?なんで上手くいっているの?俺って何している?」とゼミ生に何度か質問しました。誰一人として応えられません。いわゆる指導教官的な言動が皆無なのです。そんなこんなで、その学生はテーマに選びました。今、ゼミの様子をビデオカメラで記録しています。
分析の視点が定まらないというのでアドバイスをしました。
第一は、他ゼミの人の意見を聞くことです。西川ゼミは他ゼミから奇異に思われています。しかし、ゼミ生はそれが普通に思ってしまっているのです。だから、自分たちの特異点が見えないのです。
第二は、私が何をしているか、だけではなく、私が何をしていないか、という視点で見る。
おそらく、この第二がポイントのように思えるのです。「『学び合い』はしない 1段上の『学び合い』活用法」(https://amzn.to/3UyJgQo)にも書きましたが、『学び合い』のレベルが高まると、入門段階の『学び合い』のテクニックを捨てていくのです。ただし、ただ捨てれば良いわけではありません。『学び合い』のセオリーを理解して、身体化すると、自然と無くなります。ゼミ生は「無い」ことを通して、私の中にあるセオリーを感じ、学んでいるのだと思います。