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定番

 ゼミでは森羅万象天地間のありとあらゆる質問を受けます。当然、定番の質問というのがあります。毎年、2,3人に聞かれる定番の質問に「親の土地を相続すべきか?」という質問があります。そのそも、それを質問する時点で「まし」です。土地神話を信じている人は、相続するの一択ですから。さすが、投資の話題が普通に出る教育の研究室だなと思います。

 これは比較的簡単です。

 判断基準は簡単で、そこに住むか、否かです。ただし、住むべき土地はそんなに多くはありません。昔は3世代が多かった。ところが核家族が基本です。即ち70歳代、80歳代の移動は自身でやらなければならない。となると、普段使いのスーパー、行きつけの病院(内科、歯科、眼科等)、駅に直結するバス停(1時間に複数のバスが来る)これらが500m圏内にある必要があります。皆さんの地域は極めて限られていると思います。上越市のスーパーにはタクシー会社に直結している常設の電話機が設置されています。

 更に言えば、今の若い人が老後を過ごす頃には、人口減少が進みます。そうなると校外が捨てられ、中心部に集まります。これは私の住んでいる上越市では顕著です。上越市の全体の人口は減っているのですが、平地部分に新興住宅地が建っています。

 でも、その新興住宅地も首をかしげます。車がなければ何もできない場所にあります。30歳代、40歳代で家づくりをする人が多いと思います。そういう人が手に届く土地は「住むべき土地」ではないですね。そのような住宅地を観ていると、「この人達は老後をリアルにイメージしていないんだな~」と思います。

 「住むべき土地」以外は相続放棄をすべきです。何故なら、住まない土地を相続してもメリットはなく、固定資産税を払い続けなければなりません。財産ではなく、負債です。そして「住むべき土地」以外は売れませんので、一生涯、つきまとってきます。

 自分が残す不動産が負債であることを理解することは親世代には苦痛でしょう。しかし、それが事実であることを、元気なうちに話して理解してもらうべきなのです。

 だから生活が変化している50歳代までは借家にして、計画的な貯蓄と投資を行い、子どもが手を離れ、老後が見えてくる年に家を建て始めたら良いのではないでしょうか?

追伸 それにしても、この手の質問を教育学者に聞く方も聞く方ですが、応える私も何だと思います。なお、似たような質問に「墓を継ぐべきか」というものもあります。これにもちゃんと応えています。