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損得

 私の住んでいる上越の有名人と言えば、上杉謙信です。上杉謙信は「義」を重んじ、私利私欲のために戦いをしない武将でした。だから義の武将と言われます。でも、そうでしょうか?私はそう思いません。

 上杉謙信が家督を継いだ頃の越後国は乱れており、越後内での戦いは絶えません。多くの戦国大名は、「私利私欲」に応える恩賞で味方にしようと思いました。ところが、人は我欲の塊です。あいつが○○をもらったならば、俺は○○以上をもらうべきだと考えるのは当然です。そうなると際限がありません。だから、上杉謙信は私利私欲の上位の義を掲げ、私利私欲の暴走を止めようとしたのだと思います。人にそれを求めるためには、己の言動を義において一貫する必要があります。それがあの生き方なのです。つまり、自己の私利私欲のために義を掲げたと思います。それによって、自らの私利私欲の暴走を押さえたんです。

 これは悪いことではないです。無私の行動は続きません。しかし、私利私欲だけではダメです。上位の公共性の高い目標を掲げ、それと私利私欲とを結びつけるとき、行動が継続します。

 だから、『学び合い』では道徳の徳ではなく、損得の得を語ります。それも1ヶ月単位、1年単位、数年単位、そして、数十年単位の利害と日々の授業での言動を結びつける説明をします。そうすれば集団をリードする2割弱の子どもが理解します。

 では、教師は何のために『学び合い』を実践しているのでしょうか?そのあたりを理解していない人は少なくないと思います。上記で述べたように、己の幸せのためです。それを理解するには、己の幸せとは何かを理解しなければなりません。それが無いと、点数の上下でぶれてしまうのです。そして、その幸せと『学び合い』とどのように関わるかを理解すべきです。

 日本中には『学び合い』の会を主催されておられる方のような方もおられます。これが継続できる人は、己の幸せと自らの行動を結びつけることが出来る方です。

 ちなみに私も己の幸せのためです。ゼミを『学び合い』で運営することによって、苦労なく、高い成果を上げ続けられます。それによって職場では、極めて有利な立場にいつづけることが出来ます。『学び合い』を20年以上続けた結果、経済的にも有利になっています。この有利さは退職後も続くでしょう。

 『学び合い』実践者の方は、子ども達に語っていることを、自らの問い直して欲しいと思います。それが出来ると、子どもに語る言葉に魂が宿ります。

追伸 私はゼミ生には、このあたりの損得勘定を金額レベルでも詳細に語ります。何故なら、それは恥ずかしいことでは無いと思っているからです。徳は得の洗練した形だと思っています。