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嫌になる

 テレビ番組で小学生に対する熱中症対策の試みが紹介されました。

 テレビ局の作成した熱中症対策動画が紹介され、それを利用した学校現場の実践が紹介されました。

 担任教師が主導し、用意した教具を使いながら一斉指導しています。

 おそらく、圧倒的大多数の人は、良い実践だと認識するでしょう。保護者も教師も。

 しかし、私は陰々滅々の気持ちです。

 『学び合い』では全員を分からせるのは教師は無理だと考えています。だから、延々とした一斉指導は時間の無駄だと思っています。

 一方、凡庸な教師であってもまともに語れば2割弱は理解できると考えます。教師が語るべきはどうやったら熱中症を避けられるかではなく、自分の仲間が熱中症になれば「損」であることを2割弱に語れば良いのです。(まあ、多くの教師はそれを語れません)

 どうして、こうなってしまったんだろう。

 私が43年前に教育研究に足をつっこんだときの志は、比較教育(外国研究)と教材研究だらけの理科教育学を、理学部出身の私が実証的データに基づく教育研究にするというものです。それ自体、革命的でした。私の初期はそれをたたかれまくり、その中で業績を積み上げる過程でした。

 ところが、その当時の私の志は、現場の教師にとっては「どうでもいい」ことでした。ところが、今は、「自分を否定する主張」に認定されています。もちろん、私を敵視するのは頑張って学び、実践した教師です。その尊敬すべき教師から蛇蝎のように嫌われています。まあ、明治以来、これほど現場教師に嫌われた大学教師はいなかったと思います。

 私はもうすぐ分からない人の前から消えます。

 分かる人だけを相手にします。

追伸

 『学び合い』だったら、その意味を語ります。まあ、集団が出来れば、それも不必要。延々と教師が語るような内容はプリントや動画のアドレスを子ども達に伝えれば良い。2割弱の子どもはそれを見ます。