学陽書房の山本さんからオファーがあって、自由進度学習の本を書こうかなと思っています。
と書くと、
え、この前の本が最後の本じゃないの
という反応が起こるでしょう。でも、私は最後だとは言っていませんよ。でも、しばらくは書こうという意欲がわかないとは思っていました。行き着くところまで行ってしまったからです。
山本さんからオファーが来たときの第一印象は、「今更、自由進度学習と言っているけど、そんなの二十年弱前から西川ゼミでは到達しているのにな~」です。それ故、ゼミ生達が私が自由進度の本を書こうとしていることを知ると、「何を今更」という反応です。
正直、「やろう!」という気持ちはありませんでした。しかし、『学び合い』をよく分かっている山本さんからのオファーです。私自身もリサーチしました。その結果、『学び合い』の実践者も単元『学び合い』や異学年合同『学び合い』を知らない人が多いことが分かりました。冷静に考えれば当然です。単元『学び合い』に関しては、一部の本の中でチラリと扱っている程度です。異学年合同『学び合い』の場合は、大がかりになりそうだと言うことで敬遠して読んでない人が多いのです。
しかし単元『学び合い』や異学年合同『学び合い』にはもの凄い可能性があります。だから、『学び合い』実践者にそれを伝えることは、もの凄い意味があると思います。だって、既に『学び合い』実践者だったら、課題を単元で与える、ということだけで自由進度学習は直ぐに出来ます。
以下で書くことは非常に失礼だと思います。ご容赦下さい。私個人の感想です。
先行する自由進度学習の本は、それを読んで出来ると思える本がないのです。例外は高橋さんの本です。理由は自由進度学習をやろうとしたら、子ども集団を信じ、動かす『学び合い』以外に出来ないと思います。
世にある自由進度学習の実践や本は3つに分かれています。
第一は、子どもを信じられていないので、色々な仕掛けを用意し、躓いたら教師の代わりにサポートする教材を用意しているのです。つまり、もの凄く大変です。だから、外部の組織の全面的なサポートを受けたとしても、一部の単元でのみ実施できるのみです。そして、仕掛けが多すぎると、自由進度になっていないのです。
第二は、『学び合い』実践者だと読み取れるかもしれないけど、それ以外は捉えきれないと思います。「え、この人『学び合い』の本を読んでいるんじゃない」と感じるのです。『学び合い』でやっていることが、所々に出てきます。しかし、それらの根幹たる学習者集団の理論的背景が抜けています。だから、それを既に持っている『学び合い』実践者ならば補完できますが、『学び合い』実践者ではないと、バラバラになってしまいます。
第三は、放任です。とにかく自由にしますが、それをうまく機能させるためには何が必要かが分かっていないので、放任になってしまいます。
自由進度学習に興味を持っている非『学び合い』実践者は多いと思います。その方に向けた本を書けば、『学び合い』への一歩になるのではないかと思いました。常々、『学び合い』を実践するならば、「『学び合い』スタートブック」、「『学び合い』を成功させる教師の言葉がけ」、「週一で始めるアクティブラーニングの始め方」、「学力向上テクニック入門」、「みんなで取り組む『学び合い』入門」の5冊は読んで下さいと申しています。この5冊だけでも、授業レベルの『学び合い』の8割強は行けると思います。しかし、1冊程度にコンパクトにしても7割程度は行けると思います。
自分の勤務校で『学び合い』を広げようとしている人だったら、入門書が1冊にまとまっていたら、勧めやすいですよね。
ということで、書く気になっています。
そこでお願いです。
山本さんのアンケートに協力していただけないでしょうか?よろしくお願いします。以下からお入り下さい。