以前に書いたことです。
バーバラ・ロスは末期患者を観察しました。その結果明らかになったのは、一定の段階があるようです。死に直面した患者がどのような行動をするかという研究したロスの「悲嘆の五段階説」というのは面白いです。
第一段階は、その存在を否認し、たいしたことはないと無視します。第二段階は、怒りで攻撃的になります。第三段階は取引です。第四段階は抑鬱です。そして第五段階が受容です。
分かりやすく説明しましょう。『学び合い』に関しては、私の本がどんどん出始めた2000年代は、「あ、なんか変わったこと言っている新潟の大学の先生がいるね」と言ってスルーします。
第一段階は『学び合い』を泡沫と無視しようとしたのですが、無視し得ないとなると否定しまくります。旧編集陣の明治図書で『学び合い』の否定キャンペーンが起こったとき、私は第二段階に達したと確信しました。
今は取引の段階です。実践界の本の中には、明らかに『学び合い』の劣化コピーを一部使っているものがあります。『学び合い』は理論と実践が一対一対応しているので、実践方法を一部とりれても効果は限定的です。使っている人たちは、コピーしているのではなく、触発されたと思っているのでしょう。ところが、一部導入では『学び合い』の効果は限定的です。
あ~、取引の段階とは、こういうものなんだなと分かりました。『学び合い』に対してリスペクトしているけど、それは言えず、限定的。
学校・教師がいやがっても、子ども・保護者は1条校を捨てます。そこで1条校で生き残れるのはフルの『学び合い』です。
次は憂鬱です。ようは使えなければ捨てられます。子どもと保護者の要求水準は高まるのです。