本日のオンラインゼミでは「西川先生の校長用の本はないのか?」と聞かれました。私の本の多くは教諭を読者として想定しているので、対校長の対策本となっています。それ故の質問です。私は二つのことを言いました。
私が定時制高校の教師になって直ぐのことです。あまりにも勉強しないので、「この科目は必修科目だ。つまり、落ちれば留年するぞ」と言ったのです。その途端に教室中が静まりました。私は薬が効いた、と思いました。しかし、次の瞬間、子ども達がニヤーっと笑い、一斉に「落とせ、落とせ」と手拍子をたたくのです。私は何が何だか分かりませんでした。しばらくして分かりました。私がどんなエビデンスを積み上げても全員を落とすことは出来ません。つまり、私が子ども達に脅されているのです。そして、教師には何の権力もないことを知りました。しかし、これを教師の初期段階で分かったことは本当に良かったと思います。もし、おとなしい学校が初任校で、次もそうだったら、権力があると誤解し、それを多用し、それがなければ行けない状態になります。その段階で管下に組織的に反抗されたらどうしようもなくなります。
私の対校長に対する戦い方を読めば、校長に権力があるというのは幻想に過ぎないことを理解できます。そうすれば、権力を振り回さず、説得するはずです。
では、どうやったら説得できるでしょうか?『学び合い』です。教諭が子ども集団を動かす理論と実践論は、校長が教諭集団を動かす理論と実践論と全く同じです。つまり、私の本の殆どが校長用の本なのです。
なお管理職専用の本も、実は書いています(https://amzn.to/3ZMPTEc)。