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畏怖

 私の教育研究の歴史の中で、「あるわけない」と思ったことは殆どありません。生物学も歴史学も認知心理学も経営学も。参照しますが、既に分かっていることを補強してくれました。そのおかげで膨大な論文を書けました。

 例外は一つです。レイブの状況に埋め込まれた学習(https://amzn.to/3YLGZ7T )です。この本を読んだ最初は意味が分かりませんでした。私を超えたものにたいしては、理解できず、いらだちを感じます。しかし、『学び合い』にシフトしてからはするすると読めます。

 教育研究に関しては私はイノベーターです。私に流れる情報は、私にとっては古い。もちろん実社会で実現するには時間がかかることは分かっていますが。その考え方の根本は数十年前から分かっていたことです。

 私の教え子達、特に最近の教え子の場合かなり先の時代の動きを教えています。しかし、多くは古色憤然とした今になじみ、少数は私の頭の中では古びたところでうごめいています。

 いいのです。それでいい。それが普通です。

 私の大好きなドラッカーの言葉です。「自らの製品、サービス、プロセスを自ら陳腐化させることが、誰かに陳腐化させられることを防ぐ唯一の方法である。」この言葉の通り、私は自分を陳腐化させました。それ故、私はだれからも陳腐化されませんでした。

 しかし、退職間際で、コンテンツに浸っているおっさんを乗り越えられない現状を憂います。

追伸 非常に無礼なことを書きます。現状の学会誌を読むと、この程度の論文だったら手抜きで年間3報は書けます。書き方を知れば、容易いことです。言っていることの根幹は私の大学院生時代とたいして変わりません。いずれにせよ、若い人からの畏怖を感じない。つまらん。