自民党の小野寺政調会長が103万円の壁に関して、「学生が103万円を超えて働くと、父親の扶養から外れ、父親の税金が多くなるということで、103万以上働かないようにしようという話がある」と語り、「野党各党は壁をとっぱらえとか言うが、根本おかしいなと思う。なんで学生が103万円まで働かないといけないのか」と強調しました。
これを聞いたとき、マリーアントワネットの「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」という言葉を思いました(実際の彼女の発言ではないですが)。
しかし、小野寺政調会長は「学生に十分学業に専念できるような支援をすること。本来はこれを国会でやるべきではないか」と述べたそうです。正論です。
ただし、多くの学生や親には「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と聞こえるでしょう。
私が学生だった時代、親世代が稼げました。私は奨学金をもらわず、定期的なアルバイトはしませんでした。そして、同じような同級生が過半数でした。筑波大学は車は必須ですが、殆どの学生は普通車を乗っていました。ところが、今は奨学金+アルバイトの学生は殆どで、車は軽自動車を乗っています。
つまり、「学生に十分学業に専念できるような支援をすること。本来はこれを国会でやるべきではないか」ということを実現するには二つの方法があります。
第一は、日本を高度成長期に戻すことです。これは不可能です。十歩下がって高度成長期に準じる状態に戻すことは不可能とは言わないですが、少子高齢化社会の日本において極めて困難です。
第二は、大学生一人一人に約100万円の給付金を出すことになります。今の大学生は240万人です。仮にその半分に100万円を給付したら2兆4千万万円です。
小野寺政調会長はどのようなことをお考えなのでしょうか?それを説明出来ないと、これを聞いた大方の国民から嫌われますね。マリーアントワネットは断頭台の露と消えました。
追伸 私の解決策は、高等教育の環境を欧米に近づけるべきだと思います。具体的には偏差値65以下の非ジョブ型大学は全て、専門学校化するのです。そのためには、大学設置法を改定して、卒業生の卒業後の情報(簡単な方法として、学生支援機構から卒業後の返還状況を項表すればいいと思います)を公開するだけのことです。そして運営費交付金の査定を厳しくすればいい。上記二つより遙かに簡単だし実現性が高い。