長文です。
最近、次期学習指導要領に対する文部科学大臣の諮問に関して色々書きました。そのことについて、ある方に質問を受けて補足したので、ここに書きます。おそらく、私の頭の中はわかりにくいでしょうから。
今まで次期学習指導要領の諮問のたびに、現場は「?」という期待と不安に包まれます。それ故に、多くの書籍が出ます。しかし、最近の「言語活動」、「アクティブラーニング」、「ギガスクール」の時のような反応が無いのです。つまり、現場教師、特に現場をリードする教師にとって「?」の部分が殆ど無いのです。「ようはあれね」ということばかりです。
何故でしょうか?
外圧がないからです。だから、文部科学省内部の事務処理レベル、ようは微調整で完結しているからです。ま、文部科学省内部の人にとっては大問題なのですが、外部の人間から見たらコップの中の嵐に過ぎません。
では、私が「学びの多様化校」、「義務教育段階の通信制」を喫緊の課題と捉えているか?
今からが私の予言であり、懸念でもあります。
文部科学省の「偉い人たち」は改善は出来るけど、改革は出来ません。それは愚かだからではなく、市場占有者は大多数のユーザーに責任があるからです。大多数のユーザーは改善を求めていて、改革を求めていません。だから、学習指導要領によって基礎的・基本的な学力の保証をしようとします。ちなみに、かつて基礎的・基本的学力が実証的データで特定されたことはありません。規格化された工業化社会でも不可能ならば、個別最適化された脱工業化された今後は不可能です。そして、同じく素晴らしい教師モデルがあるという工業化社会の教師像による教員養成の規格化から逃れること出来ません。何故なら、大多数の保護者と子どもは、基礎的・基本的学力があると信じているし、昭和のテレビドラマに出てくる素晴らしい教師がいると信じていますから。
では、その人達が忘れていることは何か?
第一に、その人達の権力の及ぶ範囲の外に、多くの保護者・子どもが逃げ出すからです。
広域通信制によって典型的な1条校以外の選択が、賢い選択であることに気づいた保護者・子どもが増えています。もうすぐキャズムをこえるでしょう。つまり、全ユーザーの16%を超えると一気に広がります。
そうすると、それに気づいた保護者・子どもの弟・妹、従兄弟たちの意識が変わります。そして、今、義務教育段階の受け皿となるフリースクールが急激に増えています。
第二に、少子化の結果として学校統合が進んでいます。今でもギリギリですが、もう一歩進むと、スクールバスでの通学が不可能になります。特に、働き方改革の要請が強まると不可能です。こうなると通信制を併用した義務教育が必須だと思います。
という未来が私には見えるのです。
私の懸念は、上記に関して文部科学省は何の施策を考えていないことです。
第一の結果として、今後乱立するフリースクールに流れるでしょう。しかし、残念ながら現状のフリースクールはピンキリです。つまり、託児所の意味しか無いフリースクールもあります。
第二の結果として、僻地の子どもの教育機会が奪われます。最悪、共稼ぎの家庭では教育を受けられなくなります。
このようなことを文部科学大臣の諮問に読み取ることが出来ますか?彼らは、今の改善しか分からない。
では、私なりの最善のソフトランディングです。
今の市場占有者にわかりやすい説明としては、高等学校での通信制の例外規定を義務教育に適用するのです。そうすれば、それに合わせた民間の学校は生まれます。残念ながら公立の学びの多様化校は、現状の教育通信制高校と同じく、1条校に近づけることを正しいと思い込むでしょう。
でも、私ならば学習内容の縛りを捨てて、人間関係の縛りを付けます。具体的には、十人以上の子どもが集まれる場所への参加を一定以上の日数という縛りを付けます。そして、地域の公民館、町内会館を多様なフリースクールが利用することを奨励します。これによって、多様な子どもが物理的共有できます。そこにはネット環境が整っているのです。それによって、異学年学習による地域コミュニティーの種が生まれるのです。
が、現状の文部科学省の偉い人たちには、まったく意味不明だし、分かりたくないと思います。
いいのです。
このままで起こること。
諮問があって、答申があって、実施があります。それには長い時間がかかります。結果として、実際に実施しようとするころには、学習指導要領の改善で間に合わなくなることがはっきりするでしょう。例えば、学校があり校長がいて教諭がいるけど、子どもがいないとか。
戦前の市場占有者である軍部を打ち倒すこと何で出来ないし、やれば死にます。しかし、焼け野原になれば次が見えます。恐竜が絶滅した後、陰に隠れている哺乳類の祖先であるツパイが活躍しました。文部科学省の中にも、私の書いていることを理解している人はいます。おそらく、私が思うより多く。
そんなことを思っています。