中国の易姓革命が典型ですが、およそ革命は同じパターンを持っています。
最初は最も弱い層が現状に不満を持って蜂起します。しかし、この段階では官軍に負けてしまいます。何故なら、革命軍が散発的で相互に連携を持たないからです。だから、組織的な官軍が各個に撃破できるのです。
次の段階は、旧時代においてそれなりの特権を享受したエリートたちが蜂起します。このエリートたちの戦い方には特徴があります。第一に大義名分を掲げます。まあ、中国の易姓革命の場合は「君側の奸を除き王室の難を靖んずる(皇帝の側近の悪臣を排除することによって皇室を守る)」が最も典型的です。時代がくだってフランス革命では「自由、平等、友愛」が大義名分です。
ここで注意して欲しいのは、大義名分の対象者です。これは一般の民衆ではありません。エリートが共感するものなのです。一般民衆は、己の食い扶持にとらわれていて凝縮力が弱いのです。その人たちは、それを保証するエリートに集います。
戦い方の第二の特徴は、エリートたち連携し集団を形成し戦うのです。そうなると官軍に勝ちます。
そのため、私が今後の教育の流れを知ろうとするとき注目するのは、現状の教育によって虐げられた子ども・保護者ではありません。その方々は前段階です。その方々が増えて準備がととのえば、受験社会のエリートたちが現状を見限ります。今は、その段階です。次は、エリートたちが大義名分を掲げ、連携する段階になります。
これにはいくつかのシナリオが考えられますが、前々から書いている私が一番いいなと思うシナリオは、以下の通りです。
トヨタなどのトップ企業の中で10社でも十分です。入試を総合職、一般職、技術職、研究職に分けて行います。この中で大卒の資格を求めるのは研究職のみです。それ以外は大卒の資格を求めないのです。一般職・技術職に関しては欧米のようなターゲットを絞った採用を行い、実務経験・資格を最低条件とします。当然、18歳で受験できる人はまれでしょう。多くの人は高卒で企業に入り実務経験を積みます。資格は高卒の頃から3級程度はとっており、働きながら2級、1週を取得し応募します。総合職の場合は、大学共通試験を足切りに使い、欧米のエリート大学のような手間をかけた入試をするのです(詳細はアクティブラーニング入門(https://amzn.to/4dgVTdl)をお読みください)。いずれの職種においても、終身雇用は保証しない雇用契約を結ぶのです。これは経産省がやるかどうかだと思います。その場合、文科省を無視することが大事です。
こうなると前回の学習指導要領改訂で二の足を踏んでいたトップ校も変わらざるを得ません。変わらないと、海外の大学に優秀な子どもが逃げてしまうからです。それは高校に波及し、中学校に波及し、小学校に波及します。
が、最もあり得るシナリオは、子どもたちに見捨てられ崩壊する1条校の焼け野原から、やっと動き出すというシナリオです。
追伸 退職すると、書きたいことをそのまま書けるので嬉しい。